分館という名の下に
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OPAC2.0を想う

 気がつくと、「原稿書きました」とか「発表終わりました」とかそういうエントリが多い自己顕示なこのblog。

 今日もつまりはそういう話なのですが、風呂敷を広げてみたので事前に世間様の反応を見てみるテスト。

 で、本題。OPAC2.0というものを考えてみました。次世代のOPAC。だから2.0。

 似たような名前で、次世代のネットワークの方向性を示す言葉として「Web2.0」というのもありますが、これはTim O’Reillyさんの論文「Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(前編)」(CNET JAPAN掲載の和訳版)や上原さんのblog近江商人 JINBLOGのエントリWeb2.0 とは -7つの分類と要素MAPなどを見ていただくとして、このような考え方を図書館サービス、特にOPACに応用して考えてみました。

 まず現状のOPAC。従来のOPACは、自館の利用者に所蔵資料の機械検索サービスを館内で提供するところから、インターネット上にまでそのサービスを広げています。気の利いたところであれば、文献複写の依頼や貸し出し予約までできちゃいます。便利ですよね。

 しかし、キーワードを入力し検索結果として書誌データの一部が返ってくるというシステムそのものについてはOPACの導入当初からなんら変わっていません。新着図書の一覧や雑誌の到着状況を知るにも、お知らせの紙やOPAC経由でした。

 なぜいちいちOPACを経由して、あるいは検索して表示させる必要があるのでしょう? 利用者の時間は節約すべきです。そこで我々はRSSによる配信を始めました。これで利用者に直接新着情報を届けるのです。特に雑誌の新着号の受入状況といった情報は、大学図書館など学術雑誌を扱う図書館では重要な情報となるでしょう。
 電子メールというアイディアもありました。しかし、それでは文献複写の依頼や貸し出し予約といった複合的なサービスには不適でしょう。仮に100冊の新着図書案内がメールで届いても、検索機能なしに通読することはありえません。RSSであれば、RSSリーダでフィルタリングして必要な情報のみをピックアップすることも容易です。

 他の情報との連携についても試行を行っています。例えば雑誌の目次情報です。今まででしたら「OPACで検索あるいはリンク集から雑誌を特定→(目的の号があれば)→目次情報へのリンクをたどり出版社のサイトで目次またはオンラインジャーナル閲覧」という流れになるでしょう。これをRSSを使うことで「RSSで雑誌新着号の情報を配信→ここから目次情報などを閲覧」という流れに変えることができます。たとえその雑誌のWebサイトをブックマークしていても、変更があった=新着号が発行されたという情報をウォッチするには、毎日でもアクセスする必要があるでしょう。これをRSSによる通知に代えることで、大幅な時間の節約になります。
 さらに、「雑誌新規発行号(図書室で受け入れたかどうかは不明)の情報」に「その号の目次情報へのリンク」さらに「複数機関の図書室での受入状況」をプラスしてRSSにより利用者に届けてはどうでしょう。Current Contentsなどのサービスでは、発行前の雑誌目次情報も検索することができますが、その論文を実際に読むには、その号が自分の研究所の図書館に届くかオンラインジャーナルの契約があればそれが読めるようになるまで待つ必要があります。その号が届いているかいないか。あるいは読みに行ける範囲にある他の研究所では届いているのか。それが分かるだけでもストレスを貯めずに済むのではないでしょうか。
 「図書室での受入状況」と「雑誌新規発行号の情報」については別々のRSSで提供していますが、XMLで連携させることによりこんなサービスも実際に行っています。データはOPACから出力させていますが、利用者はそれを意識していません。見ることができるのはRSSで配信されるこれらを組み合わせた情報です。

 こうして、今までのOPACというインターフェースにこだわらず、自由に他の情報を組み合わせて提供ができる、これも一つのあり方ではないでしょうか。

 もう一つ考えてみました。OPACで出力されるのは、大抵の場合データベースに収められている書誌情報の一部です。実はさまざまなコードやデータが出力されず隠れています。また、検索結果のダウンロードができても、構造化されていない場合が多いため、再利用するにはあまり適切ではありません。

 amazonを見てみましょう。通常のインターフェースの他にWebサービスが公開され,図書であれば書名,著者名,ISBN,表紙画像などの商品情報を取得し自分のblog等で自由に利用することができます。どうして図書館のOPAC上の書誌情報ではそれができないのでしょう?
 FireFox+Greasemonkeyの組み合わせで、インストールしたPCに限ってですがamazonの検索結果から自分の近くの図書館にその本があるかどうかを検索して結果をamazonの表示内に埋め込むスクリプトが公開されています。
 それなら、amazonとOPACを同時に検索させて結果を出すようにすればよいですよね。これはXMLで連携させることで、うまくいくかもしれません。しかし、現状のRSSの要素では、本の情報-書名、著者名、発行年など-をXMLで記述するには力不足です。今使われている書誌情報を詳細にXMLで記述する必要がありますが、MODSなどのメタデータ標準を使うことで解決できるでしょう。
 こうして詳細な書誌情報をインターネット上で流通可能な状態にすることは、図書館による公共サービスの提供の一つと考えられないでしょうか。

 共通した、あるいは近い構造を持つメタデータをXMLで流通させ、お互いに連携する。これにより、図書館間の横断検索や図書館以外のデータベースとの連携も容易になるかもしれません。また、構造化された書誌データを利用者が自由にダウンロード可能になれば、図書館屋が思いつかない新しいサービスが利用者の側から作られるかもしれません。GoogleMapsがよい例です。Googleが提供する地図情報をベースに、利用者が様々なサービスを自由に構築しています。

 図書館が持つ書誌情報を、今までのOPACから開放して利用者が自由に利用可能な環境を用意する。そして幅広く利用される。このような環境、考え方をOPAC2.0と呼びたいです。

 そんなことを考え、別の文章にまとめました。どうでしょう? OPAC2.0。

 私の考えの甘さや、至らない点がありましたらご指摘ください。
 ご意見をお待ちしています。

コメント

だい

わーい、退屈男さん。gooに転職だ~。と能天気にはしゃいでみる。

近江商人 JINBLOG
http://ceonews.jp/archives/2006/02/rss_1.html

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