社会

政見放送を見る。

 政見放送をYouTubeで放映している政党があるという。これは画期的かつ野心的な試みではないか。しかも複数のメッセージがあるようだ。図書館退屈男としても、退屈しのぎに早速見に行くことする。

 [視聴中]

 …党首、幹事長の熱いメッセージを受け取った。フムン、確かに美しい日本の実現、輝ける未来のためには、今こそこういった政策提言が必要なのであろう。さらにこれらの主張を、今話題のCGM(Consumer Generated Media)の一つであるYouTubeに流す。この試みは、党内部でも公開にあたり相当の議論があったのではと推測できるが、多くの人々、特に政治に無関心と言われる層にアピールするには最適とも言えるアプローチであろう。弊社も参考としたい。

 これらの政見放送は、https://www.youtube.com/watch?v=AHT7umKvzuM から視聴できる。ぜひ多くの方にご覧頂きたい。


Stay hungry, stay foolish.

今日のタイトル。「Stay hungry, stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)」ということ。

霞が関官僚日記さんの今日のエントリ [社会]ジョブズ、スタンフォードの卒業式でのひとこま からの引用です。「市村佐登美さんの手になる翻訳のようだ。」とのことです。

スピーチの全文はここから読めるほか、かんべえさんの不規則発言からも読むことができます。

一言一句が深い思索に満ちていて、おそらく自分の卒業式でこんなスピーチがあったら泣くこと必死です。
その中でも印象に残ったのは、

人生には時としてレンガで頭をぶん殴られるようなひどいことも起こるものなのです。だけど、信念を放り投げちゃいけない。私が挫けずにやってこれたのはただ一つ、自分のやっている仕事が好きだという、その気持ちがあったからです。皆さんも自分がやって好きなことを見つけなきゃいけない。それは仕事も恋愛も根本は同じで、君たちもこれから仕事が人生の大きなパートを占めていくだろうけど自分が本当に心の底から満足を得たいなら進む道はただ一つ、自分が素晴しいと信じる仕事をやる、それしかない。そして素晴らしい仕事をしたいと思うなら進むべき道はただ一つ、好きなことを仕事にすることなんですね。
という一節です。

いわゆる「本の虫」ではありませんが、図書館の仕事は好きです。分類や目録作成、索引付与などは実は苦手ですが、利用者に必要な情報を収集、整備し、また探しだし提供すること。それがどこかの誰かの役に立てるのなら本望です。
Webサイトで情報を公開してゆくこと。レファレンスブックやデータベースを駆使して情報を探し出すこと。電脳の海にダイブするような感覚にさえなります。

その中で作り上げた二次資料などのコンテンツが、一つでも残って語り継がれ利用され続けるなら、それがジョブズ氏が仰るところの「自分が素晴しいと信じる仕事」になると信じています。

常に最新の技術と向き合い、利用者の動向を読みつつ、有用なコンテンツを探し、作りだして多様な手法でより多くの人に広めてゆく。それが自分の仕事です。


ところで、前述のかんべえさんの不規則発言では、今週号の「週刊エコノミスト」誌P76に掲載されている「金融庁“異能官僚”が綴った『十戒』」というコラムの要約が紹介されています。
図書館屋としてではなく役人の一人(ここは勘違いに陥り易いところ。図書館屋である前に一人の公務員です。)としては耳の痛いところですが、サービス対象である国民としっかり向き合い、信念と誇りを持って仕事をせねば、という気にさせられました。明日にでも原文を入手したいと思います。


大人の対応?

退屈の虫が騒いだので久しぶりに書いてみます。

9月19日付朝日新聞の記事「愛知万博マスコットの偽物登場 口コミで広がる」によれば、

愛知万博公式マスコット「モリゾー&キッコロ」の目と口が逆転した「キリゾー&モッコロ」がネット上に登場した。「モリコロ」ならぬ「キリコロ」。
(中略)
文化庁によると「著作権法違反の疑いがある」が、万博協会は「人気が全国区になった証し。実害もなく、目くじらを立てるほどでもない」。

とのこと。

これに対し、Copy & Copyright Diaryのエントリ「[文化庁]大人の対応と大人げない私 」経由で知ったのですが、栗原潔のテクノロジー時評Ver2のエントリ「大事なのは大人の対応」では、

著作権は、かなり強力な権利なので法律どおりに杓子定規に運用すると、殺伐としてしまいがちです。特許権や商標権はまだビジネスの世界だけの話なのですが、著作権は個人での利用に及ぶこともありますからね(小学生が学校のプールに書いたキャラ絵を消させた会社もありましたねー)。柔軟な大人の運用と言うのが大事だと思います。単なる一個人としての感想です。

として、万博協会が目くじらを立てなかったことが「柔軟な大人の運用」と評価しています。

で、私の目の前には、"(c) Japan Accociation for the 2005 World Exposition"と書かれたタグの付いたモリゾーとキッコロがいます。かわいいです。
タグから見ると権利はもう万博協会のもので、キャラクターデザインを手がけたアランジアロンゾさんの手を離れていると思うのですが、このことを知ったらどう思われるでしょう。

サイトには、※ 著作権についての大事なおしらせとして、

厳しく不正な使用を禁止し、これらの権利を守っていかなければなりません。

と書かれています。
また、著書「(有)アランジ アロンゾ」(角川書店,ISBN 4-04-883691-9)では、仕事をちょっとずつ広げていった時期に商品の卸先に騙され、

ある日、東京の知らない雑貨屋さんに入ると、おやおや、アランジのライターが。そうです、不正に商品をたくさんつくって、勝手に他の雑貨屋に卸していたのでした。つまり私たちは騙されたのです。当然ですが腹がたちました。頭に血がのぼります。
(前述、p29)

という目に遭い、不正に作った分の書類を提出させ、正当なロイヤリティを請求し、かつ「二度としない」旨の念書を取って一切の取引を停止したというエピソードが紹介されています。それだけ、自分たちの生み出したキャラクターに思い入れがあったのだと想像しています。

自分の生んだキャラクターに思い入れを持ち、その権利を自ら守ろうとすることは「大人げない」のでしょうか。確かに、この贋作の作者も特定できず、実損も算定できない状態では、権利者としてはこのような対応をするしかないのかもしれません。しかし、万博終了間際のこの時期にコメントを公表したこと、また法的措置も執らない様子を考えると、このままうやむやに、かつ適当に逃げ切ろうとしているのかと邪推してしまいます。

また、文化庁から「著作権侵害の疑いがある」と指摘されている画像を平然と掲載する朝日新聞の見識を疑います。

個人的には、これをきっかけに、「公的機関にはもうキャラクターデザインを提供しない」とアランジアロンゾさんが思い、さまざまな場所で作品を見る機会が減ることを恐れています。第三者の杞憂かもしれませんが。

アランジ アロンゾのグッズは品質の割に値付けが高い(気がする)、扱っている店が少ない、などと不満もあります。でもカッパくんは好きです。これじゃ子供といわれても仕方ありませんね。