やっと「時かけ」
2006/09/30
東京から60km離れたこの地にも、「時をかける少女」がやってきた。さらに遠い地のほうが上映が早いのには納得いかないが、見られるのでありがたく思おう。
…と余裕なスタンスでいたら、上映は9/9から9/29までではないか。短いぞ。ということで慌てて先週見に行くことに。しかも最終週は上映時間が変更になっていた。事前に確認していなかったらひどい目にあうところだった。危ない。その他の地域での上映予定は、公式サイトの「上映館情報」をどうぞ。
で、観てきた。あちこちのblogで多くの論評があり、いまさら感想を書いてもと思うところではあるので、とりあえず箇条書きで。
- 7月の空は青かった。どこまでも青い。そして雲は綺麗。もう戻らない、でもまたやってくる夏。
- プリンは大事。勝手に食べると遺恨を残す。
- 資料修復専門の学芸員には正直憧れる。美術品を修復、保存する技術は資料保存にも通ずるところがあり、図書館員としては無視できない。
- よく考えてみるとわずか2~3日の間の話。でもあの年代ならたとえ1日でも本当に長くて貴重で、帰らない1日だったはずと思うのは自分が年を取ったから。
- 公式サイトの押井守のコメントは、「葱ぬきのカケ」と言いたかっただけなのではないか。
こんなところだろうか。
図書館退屈男の中では、「The Natural (1984)」「王立宇宙軍~オネアミスの翼~ (1987)」と並び、「何度でも見たい映画」の一つに挙げておきたい。
ただ、惹かれるのはなぜだろう。「Natural」のように渋く、かつカタルシスを感じるわけでもなく、「王立宇宙軍」のようにむやみに熱い情熱やいちいち意味深なセリフ(大体覚えちゃったよ。さすがに王立宇宙軍軍歌は全部歌えませんが。)が心に刻まれたわけでもない。
「葱ぬきのカケ」。シンプル。そして自分の過去に、あるいは今、隣の町で起こった出来事を見ているような、リアルな既視感の中の非日常。そんなものを垣間見たような気がする。だからもう一度観たい。もう一度観て、「あの世界」を垣間からではなく主人公と同じ目線で、繰り返して体験したい。そう思わせるところに惹かれた気がする。
もっと早く、夏のうちに見ておけばよかったよ。