着任したての専門図書館員が取り組むべきこと
海老名市立中央図書館に行ってきました

予算はどこへいった

前回,

定期の処理をこなしてヒト,モノ,カネの流れを押さえればなんとかなると思う.

と書いておきながら予算の話がなかったので追記.

「図書費」として配分を受けた予算枠から外国雑誌や出張旅費,果てはプリンタのトナーといった消耗品まで自分の係のあらゆる費用(ただし光熱費は別)をまかなうことになった.国の時代は旅費と資料費と物品購入は別枠で執行していたので,慣れない.

それはどういうことなのか.

たとえば27インチのディスプレイがほしいと思っても,試験用にサーバ機がほしいと言っても,買ったらその分だけ自分で図書が買えなくなる,ということだ.東京までの出張旅費とトナー代はきっとバーターだ.気づかずに着任早々カラープリンタのトナーと感光体ユニットの契約依頼票出しちゃったぜ.昨年度のうちに補充しろよ.オーマイガー.

しかも引き継ぎメモには「予算は足りなくなる.だが心配するな.部長に頼んで追加の配分を受けろ」(意訳)と書いてある.突然のシビアコンディション.

とりあえず上司を仰ぐ.直近の上司は同じ職場の施設担当課から同じタイミングで異動になった.図書館は素人だが,人事施設予算会計を歴任した「プロの事務屋」だ.ここは頼るしかない.事情を説明すると,確約はできないが調整はする,と請け合ってくれた.

大口の入札が予想より安値だった,冷夏だったり暖冬だった,海外出張が中止になった,当初の予算配分から残額が出ることはよくある.なので半期が終わる頃には再度の予算配分の調整がある(こともある).問題は残額の有無をつかむ相場観と調整能力だ.所全体の予算と執行の流れがつかめないとその相場はつかめない.情報関係部署の経験しかない図書館退屈男にはできない芸当だ.

結局,この年度は別口で追加予算が必要な案件が続けて発生したため,外国雑誌経費の増額は果たせなかったが,上司の嗅覚とバランス感覚には万事助けられた.


ということでカネの問題はどうにかなりそうな目処が立ったが,結局何をすればいいのか.

通常のジョブローテーションなら,現職に留まるのは2~3年程度だ.その間,特に波風立てずに凌ぐかどうするか.

管理職(研究職が併任で来ている)との定例の期首面談では,

「噂は私の前任地(別の研究所)の図書館長から聞いている.情報系ではエースだそうだな」(誰だそれ)
「カネはないが,好きにやってももらってかまわない.責任は持つ」

大丈夫なのか.余計なことを吹き込まれてはいないのか.

好きにさせてもらうにはカネと権限と使えるデータが必要なわけだが,そんなことより図書館退屈男に「好きにしろ」と言ったら本当に好きにするぞ.大丈夫かこの管理職……いや,「ここではたいしたことはできない」ということの裏返しと見るのは考えすぎか(考えすぎ).

では,なにかやりましょうか.

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