あのとき僕らは端末の前にいた(1)
LibraryFindと戦ってみた

あのとき僕らは端末の前にいた(2)

 19日になった。

 一次情報を提供するサーバと共に、負荷分散を図るためミラーサイトが有志の手で次々と立ち上がった。

 共同通信が配信している死亡者リストは「自由に利用してかまわない」とのアナウンスがあり、Niftyserve上の地震情報エリアへのアクセスは無償となった。

 被害情報サマリにも家族の安否や具体的な被害の情報、ライフラインの状況などを中心に順次情報が追加され、別の有志の手でHTML化されこれらも各サーバでのミラーの対象となり各所へ配布された。

 朝日新聞でも、「Internetで情報が提供されている」と掲載され、トラフィックは増える一方となり、NTTではミラー用のtarballの提供を始めた。また、それを理化学研究所がミラーする、という体制になる。
 翌20日には、NTTへの負荷を下げるため、

すでにwww.ntt.jpはindex-j.htmlにおけるミラーサイト一覧の提示と
ミラーサイトへのanonFTPによる源データ供給に徹した方がよい

との提案がなされた。
 しかしwww.ntt.jpへのアクセスは増加し、ミラーリングについては

Sun, 22 Jan 1995 13:54:03

  先週の17日から20日まで www.ntt.jp には地震情報はもちろん、通常提供しているその他の情報に対するアクセスも急激に増加し、日本国内向けにwww.ntt.jpが接続されている回線(64Kbps)は、昼間はほとんど真っ黒という状況が続いていました。

  現在(日曜日)は比較的スムースな状況ですが、 anonymous ftp で www.ntt.jp に対して地震情報のmirrorを実施している各サイトでは、是非 NTTではなく、理化学研究所に対して mirror するようにして下さい。

と理化学研究所の利用を促すアナウンスがなされた。
そして、

Sun, 22 Jan 1995 15:22:12

各サーバを
1. 1次情報を発信している サーバ群
2. 1. のカテゴリのサーバをミラーしているサーバ
3. これらのサーバのインデックスを作成しているサーバ
に整理しては。

との提案と同時にIIJが加わることで、

Sun, 22 Jan 1995 15:25:45

IIJ、anonymous ftpでミラー用データ公開、以下のアナウンス発出。

  www.ntt.jpの地震情報を mirrorする方へ 

  anonymous ftp で www.ntt.jp に対して地震情報のmirrorを実施している各
サイトでは、NTTからではなく以下のサイトを利用して下さい。

商用 Internet 方面
  ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/QUAKE/
研究用 Internet 方面
  ftp://ftp.riken.go.jp/QUAKE/ntt/mirror/

と、www.ntt.jpをマスターとして、経路別にミラー用サーバが用意された。

以下、19日の主な経過を示す。

Thu, 19 Jan 1995 02:19:36

http://www.med.kyushu-u.ac.jpが負荷分散のため

http://itcw3.aist-nara.ac.jp/earthquake/ の下のいくつかのファイル、
http://www.ntt.jp/QUAKE/ntt-j.html の下のいくつかのファイル、
quake@ponytail.ntt.jp へのメールの結果、
http://www.mmjp.or.jp/mmjp/ の下のいくつかのファイル
http://www.cfi.waseda.ac.jp/users/g2b178/index-j.html
http://athena3.cent.saitama-u.ac.jp/spool/ の下のメール群

をミラーして提供。

Thu, 19 Jan 1995 09:32:02

http://www.phys.s.u-tokyo.ac.jp/index-j.html
にも、地震関連サーバへのリンクのまとめ。

Thu, 19 Jan 95 09:45:12

1/18 PM 7:30にniftyserve上で共同通信が配信している死亡者リストが無償公開になったとの情報。

Thu, 19 Jan 1995 12:34:07

Nifty の地震情報エリアは、基本接続料金含めてすべて無料になりました。
との情報。

Thu, 19 Jan 1995 14:24:46

「NTT が提供している日本文字放送からの情報は自由に使用してくださって結構です」とアナウンス。各所でミラー可能に。

Thu, 19 Jan 1995 16:22:18

現地からの情報として神戸市外国語大学のページが紹介された。
http://www.kobe-cufs.ac.jp/kobe-city/whatsnew/disaster.html
「独自取材の情報がいっぱいある」とのこと。

Thu, 19 Jan 1995 17:20:48

NTT の地震のデータのミラー用に、anonymous ftp で /QUAKE/quake.tar.gz が公開される。

Thu, 19 Jan 1995 20:17:45

www.iij.ad.jp で地震情報のページが公開。NTTのミラーを含む。

Thu, 19 Jan 1995 20:18:39

東洋エンジニアリングでもNTTのミラー公開
英語  : http://www.toyo-eng.co.jp/NewHome/QUAKE/index.html
日本語: http://www.toyo-eng.co.jp/NewHome/QUAKE/index-j.html

Thu, 19 Jan 1995 22:22:35

東洋エンジニアリングで被害情報サマリのHTML公開

Thu, 19 Jan 1995 23:10:57

中部大でもミラー開始。

Thu, 19 Jan 1995 23:32:26

理化学研究所、毎時40分に

     ftp://www.ntt.jp/QUAKE  を
     ftp://ftpriken.go.jp:/pub/QUAKE/ntt  以下に

ミラーする設定

 当時、NTTより発信されていた情報のスナップショットを以下に示す。なお、このファイルは当時www.ntt.jpの管理に携わっていたNTTの高田氏よりご寄贈頂いた。本文を持って謝辞としたい。

Ci070116155748 Ci070116155754

 被害情報サマリに掲載すべき情報は日々増加していった。ネットニュース上の記事だけでなく、ネットニュースに投稿できないサイトか ら電子メールでも情報を頂き、これらも追加していった。
 ありがたいことにHTML化は東洋エンジニアリングの方にしていただき、webにも載せられるようになった。
 また、サマリをプリントアウトし、インターネットに接続されていない地域や海外に送信し大変感謝された、との情報も頂いた。FAXまでは想定していなかった。

 正直、どのくらいの人があのサマリを必要としていたのか、どこまで配布されたのかはわからない。もしかすると、デマも混じっていたのかもしれない。
しかし、当時のネットニュースでは実名@所属での投稿が普通のことであったし、信頼するほかなかった。

 図書館員の仕事は、媒体はともかく利用者が必要とする情報を集め、整理・分類、提供・保存すること。
 件のサマリを作り配布すること。それはまさにこのような状況下で図書館員が行うべき仕事であったのではないかと思う。たとえ藁のような情報でも、それを必要とする人がいるのならいくらでもかき集めてきて海に投げるだろう。それが図書館屋の矜持。

 残念なのは、当時は「保存」がこの中から抜けていたことだった。インターネットで生まれしものはインターネットの中に消えるのか。自分の手元にさえ、もうサマリは残っていない。

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