ああ、一ヶ月ぶりのエントリです。読者の方、お待たせしました。
長いこと予稿書きやスライド作成で苦しめられてきた、INFOPRO2005での弊社におけるRSS関連の取り組みについての発表が無事終わりました。参加された方がこのblogに気づいてもらえれば幸いです。
「自館OPACのRSS化なんてネタ、聞いてもらえるのかなあ」という不安は見事にはずれ、70人ぐらい収容の会議室に立ち見まで出るという盛況で、またいくつか質問や協同のお申し出も頂き感謝しております。スライドは追って予稿と併せJ-STAGEに載るらしいですが、事務局と交渉し弊社公式Webサイトへの掲載を考えております。その時はまたお知らせをします。
予稿を書いてから発表まで時間があったので、その間の情勢や発想の変化、新サービスの試行などができ、スライドにはそのあたりを反映できました。
2003年初頭のMovableTypeでRSS生成、XOOPSで閲覧というテストから、同年からの本格的なサービスのためのシステム仕様策定と構築、そして2004年にサービスのカットオーバ。2005年3月には雑誌個別の受入情報のRSS化など、RSSによるOPAC上の情報配信については、「使い物になるのか」「誰が使うのか」「どう使えばいいのか」など手探りの中で進めてきました。そして、色々考えたあげくにINFOPRO2005での発表に踏み切りました。業界内など周囲の反応も知りたいところでした。
結局、このサービスで実現したかったことは「OPACの外部向けAPI提供によるWebサービス化」に至るプロセスの一つだったのかなあ、と今になって考えています。国内では学術的な情報のRSS配信は、お知らせやサイトの更新情報的な物を除けば、国立国会図書館のCurrent Awarenessが提供されている「図書館に関する調査・研究」更新情報や、の一橋大学附属図書館の附属図書館新着図書RSS提供ぐらいで(書き手の情報不足なので他にありましたらお知らせ下さい)、まだまだ数が少ないのが現状ではないでしょうか。その中で小規模な図書室の集まりではありますが、関連研究所66拠点図書室の新着図書・雑誌受入情報の配信は事例として参考としていたければ幸いです。
将来は、弊社のデータベースだけでなく、他からも有用なリソースがAPIがオープンになったWebサービスで提供され、大きな情報プロバイダによる一極集中のポータルではなく、利用者自身が使いやすい情報を選択して自分のポータルサイトを提供できる環境構築が可能になれば、と考えています。このサービスも、ポータル構築のためのパーツを構成するための第一歩です。APIの提供とオープンなサービス。こういうサービスが、今ならWeb2.0的だとかいうのでしょうか。
小規模経営の弊社としては、競合他社に飲み込まれないよう地道にサービスを続けるしかありませんが、ユーザにちょっとでも近いところに有用な情報を送り続ける、そんなサービスを構築していきたいものです。