職場にある自席のPCを自宅からリモートで操作していたら、その様子を職場側で見ていた先輩に「夜は怖いからせめてディスプレイの電源を切ってくれ」と言われた図書館退屈男です。接続はVPN経由です。
さて、図書館総合展が去る12月2日に終わりました。起案から足掛け約半年。長い準備でしたが、開催している3日間はあっという間でした。気が抜けたのと疲れが出てぼーっとしてましたが、やっと正気に戻りこのエントリを書いています。
前回のエントリで
ThinkPad X41 Tabletを持っているのがここの中の人です。
と言明したとおり、専用キャリングケースのアームストラップでThinkPadを左腕に固定してデモなどしてました。この状態で半日過ごすと昼食時に茶碗を持つ手が震えるなどの現象に見舞われます。あまりおすすめしません。
ということで勧誘と接客に勤めたわけですが、声をかけると「うちは文学系なので…」と言われてスルーされるなどの目にあいます。そう、NDCで4,6類専業の弊社はそれ以外にはめっぽう弱いのです。それでも、「無料」のデータベースサービスであることや専門性が受たようで、結局パンフレットは550部を配布できました。また、アンケートに答えた方にお渡しした「血液サラサラ」な梅エキスも好評でした。(すみません、主成分のムメフラール(リンク先はPDFです)についてはみのもんたさんがすでに紹介済みでした。)また、「Jump to Libraryを使っています」という方も何名か見え、10年選手の枯れたサービスとはいえお使いいただいていることをありがたく感じました。(実は、提供しているWebサーバのデータ転送量の大半を占める弊社のキラーコンテンツのひとつでもあります。)
その他、学校図書館の方やさまざまな大学、企業の方など、普段お話を伺うことのない方々から貴重なご意見を頂くことができました。
心残りなのは、ほとんどブースに張り付きでフォーラムを聞きに行けなかったこと。特にgoogleさんのお話は気になっていたのですが、サーチャーの会ブログや日々記などで触れられている通り、彼らの持つ理想へ向けて着々と進んでいるようです。また、CNETの記事「サービスを急拡大させるグーグル、そのスピードの秘密と狙い」で米GoogleインターナショナルプロダクトマネージャーのAngela T. Lee氏がコメントしている
ただ、他の会社が持っているコンテンツを買ってきて、それを提供するということはやりませんし、編集者やライターを抱えて自社でコンテンツを作るということもしません。それは現CEOのEric Schmidtも「絶対にやらない」と否定しています。なぜなら、Googleは「情報がここにありますよ」と教えるのが自分の役割だと考えているからです。
(中略)
我々は、1個だけ検索窓を提示し、そこにユーザーが思ったことを打ち込むと、予想した通りのものが返ってくるというのを理想としています。ユーザーの方々に、使い方についてあれこれ説明をしなければならないとしたら、それはいい仕事ができていないという指標に他なりません。
という言葉、我々には重いです。それは弊社を含めた図書館が持つ理想であり、重要なミッションのひとつであると考えています。googleが図書館と競合するのか、手を組んでゆくのかはわかりませんが、無視できる存在ではないことは確かです。コンテンツホルダである弊社も、いずれ何らかの形で対応を迫られるでしょう。
さて、手すきの折には、主に図書館システムのベンダーさんにRSSへの対応状況を伺ってみましたが、
- 対応の計画なし。また要望も頂いていない。(数社)
- 各社とも機能がほぼ均一になっている現状で、差別化を計るため検討したい。
- ご要望いただければオプションで実装します。
- …RSSって何ですか。(本当)
という状況で、まだまだ普及には時間がかかりそうです。
とはいえ、実際に弊社のRSSによるサービス事例をご覧頂いた方からは、
- よくわからないが便利そう。使ってみたい。
- ここまでの活用例は見たことがない。自館の参考としたい。
- 国内どころか海外でもここまでの事例は見ない。先端的事例ではないか。
- 出版社が提供するE-mailアラートで十分ではないか。
などのご意見を頂きました。また、書誌構造をXMLで記述するための名前空間の検討と実装などについても意見交換をさせていただきました。この問題についてはどなたかご意見ください。というかぜひご相談させてください。早く実装したもの勝ちですかね。>詳しい方。
とまあ、そんなこんなで3日間は過ぎてゆき、図書館総合展終了の放送と周囲の拍手の中で、思わず涙ぐんでしまいました。撤収はバックヤードのLAN配線を解き、荷物を梱包して発送、小一時間ほどで周囲のブースを含めあっという間に片付いてゆきました。あっけないものです。
内部からは、「例年より各社のブースが地味になっているような気がする」という声も聞こえてきました。もう派手に展示会を展開する時代ではないのかもしれません。しかし、図書館関係者が館種を超えて集まり、意見を交わせる場としては重要だと思いますし、他の図書館にも安価に出展可能にしてもらい、それぞれのサービスを紹介できる場になればとも思います。
今年の出展で得られたことは思ったより大きかったです。来年もまた来たいです。
個人的にうれしかったのは、母校の司書課程の恩師であるH先生が、「彼は自分の弟子だ」と覚えていていると耳にしたことでした。ブースに見えた関係の方から教えてくださいました。
卒業して10余年、ゼミの恩師のところには交流がありますが、H先生のところには失礼をしてばかりでした。そんな弟子でも、覚えてくださっていたことに感謝します。いずれ、改めてご挨拶に伺います。