演奏旅行
Connoteaコネタ

土曜の夜と日曜の朝

 朝7:30。沈んだ心で起きる。金曜日から通常勤務に復帰。復命書を提出した後、北大出張の概要を課内のメーリングリストで報告。溜まった仕事をクリアした後は日曜日の大図研発表のための仕込み。ネタの一つとして、昨年作って半ば放置していたAJAXライクなインクリメンタルサーチインターフェースを引っ張り出す。もっともXMLHttpRequestによるデータの取得は一回で、そのデータ上でサーチを繰り返すので非同期とは呼べない微妙さ。
 その他いくつかのネタを仕込んで金曜は帰宅、火曜に見損ねたサラリーマンNEO[再]を見て就寝。

 土曜日。大図研大会のページに「討議資料」があったのでプリントアウト。熟読。なんだか組合の活動方針案のようだけれども、大学図書館を取り巻く状況についての分析が簡潔にまとめられている。さらに読み進む。「Web2.0」という項目を発見。さすがに図書館でもこの方面も無視できなくなってきた、ということだろうと思い読むと、あれ、「OPAC2.0」とか書いてある。No、さらに例の情報管理の原稿やこのblogへのリンクが! 冷や汗が背中を伝う。
 ということは、明日の参加者はこの資料について討議した上で分科会に参加するということで、もう後には引けない。もしかするとこのblogを読んで突っ込みどころを吟味しているかもしれない(妄想)。再度、発表資料とデモ用ネタをチェック。そして模型作りで現実逃避。なんとなくYMS-15の原形を見るような造形がとかそんなことを考えている場合ではなく、頭の中で想定問答を組み上げて就寝。

 日曜日がやってきた。Dance with you.
 
 昼前に会場着。12:00からはラウンドテーブル「図書館システム」。昼食をとりつつ前哨戦というところか。でも参加者的には休憩がほとんどないんだな、この大会。初参加だけに勝手がわからないアウェー感。スパルタンだ。
 ここでは、各図書館システムベンダ間であまり機能の相違がない点、また改修要望を上げてゆく場の有無(有ってもなかなか要望が通らない等の意見も)などが議論となった。最後には、現在の仕様書を捨てて業務モデルも含めて再設計するくらいでないとよいシステムはできないのでは、という意見も出た。

 14:00から分科会「図書館システム」。まず慶應大メディアセンターの佐藤氏の報告。海外の図書館システムについてはほとんど無知だったので、勉強させていただいた。先端的な要素よりも、むしろ学内他システムとの統合認証など当然あるべき機能の実装と提供に重心が置かれている印象。

 そして自分の発表。OPAC2.0。つかみで用意した「猫=Web2.0」は多少笑いが取れたものの、この場とは少しベクトルが違った感じ。ひるまず進める。そしてデモ。さすがにデモはインパクトがあったようで、もっとデモ中心でもよかったかと反省。発表後、佐藤さんからデモで使ったTagCloud生成のソースを要望される。かなりのインパクトとインスピレーションがあったという。あれは隣の課の後輩が作った強化版なので、一旦職場に戻って彼の意思と状況を確認してから改めてお返事することとする。

 続いてディスカッション。
 「『こんなOPACにしたい!』という熱い思いを!」ということで以下のような意見と討論で盛り上がった。

  • 図書館は様々なデータを抱えている。これを開放してほしい。
  • この発表でOPAC2.0の実例を見られたのではないか。見たことのない物を作るのは困難。
  • OPAC2.0も実装は簡易だがその先を考える必要がある。今ある図書館の新着案内からRSSを生成するスクリプトを考えている。これらをゲリラ的に提供した後で、「便利だ」ということを広め、そして必要性を訴えるのでよいのでは。また、作った次の段階として、使って評価してくれる人も必要。
  • OPAC2.0という言葉はインパクトがあるが、公共財としてのデータ提供だけのものではないと思う。もっと議論し、必要な仕様を考えてみてはどうか。
  • 自作のシステムもよいが、自分で勉強してやってみよう意欲の反面、異動した後の運用体制をを考えるとしり込みする。
    パッケージベンダーをうまく使うことが日本の環境に合っている。
    「次のために」どんな機能が必要か、それを考えてベンダに提案してゆく。
  • いままではNACSIS-CATもNIIがベンダを引っ張ってきたが、この場のような図書館コミュニティからもベンダに提案してゆき、新機能を実装して育ててゆくことが必要。

 OPAC2.0も、新しいコンセプトとして認知された一方、より一層の実践と概念の整理が求められた。また宿題が。

 終演後、司会、コメンテータ、発表者など数人で軽く打ち上げ。ビールおいしいよビール。疲れが出たのか途中眠ってしまい記憶がないのですが。参加された各位には失礼をいたしました。
 さらに場所を移して2次会でも歓談。ネットニュースや昔のPC(apple][とか)の話題で盛り上がるのはなぜだろう。

 遅くまで盛り上がった一日だったが、はじめは自分の思いつきから出たコンセプトである「OPAC2.0」という新しいサービスを支持してくれる方の存在を、心からありがたく思った。今後も研究会など何らかの形で協同していただけそうな機運の盛り上がりが感じられた。まずはゲリラ的ではあるがRSS配信の実践と普及に取り組むことになるだろう。
 
 ツアー、というか発表の機会はあと2回、9月5,6日の京大数理解析研究所研究集会「紀要の電子化と周辺の話題」と10月11日の専門図書館関西地区協議会イブニングセミナーを残すのみとなったが、しばらく間ができたのでちょっと休もう。そしてネタを仕込むのだ。

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