【先着100名】全国図書館大会U40プレミアセッション
[第3回]図書館は視えなくなるか?  ―データベースからアーキテクチャへ ―

図書館サービスもSaaSですってよ、奥さん!ムフフ。

あるようでなかったSaaS(Software as a Service)による図書館サービスの提供が、NEC発で行われている、との報がありました。以下はNECのプレスリリースからの抜粋です。

http://www.nec.co.jp/press/ja/0908/2501.html
国内初、公共図書館向けの複数システムをSaaS型で提供」(2009年8月25日)

「GPRIME 電子図書館サービス」は、(1)Wikiの仕組みを用いて、図書館員や住民が郷土に関連する情報や書籍についてWeb上で事典のように作成・蓄積・閲覧できる「わいわいライブラリー」、(2)複数の図書館をまたがって図書館員・ボランティア等がSNS形式でコミュニケーションできる「SNSサービス」、(3)都道府県内の図書館や大学にある蔵書を一度に検索できる「横断検索サービス」、(4)これまでは 主に紙書類で行われていた図書館間の相互蔵書貸借業務を支援する「ILL(アイ エル エル)サービス」の4種をメニュー化しており、ニーズに応じて順次メニューを拡充していきます。

この「GPRIME」自体は、「官民の情報システム連携、ワンストップサービスの促進など「地域情報プラットフォーム」をサポートし、経営という視点で資産や人材を活用する積極的な戦略を可能」とするソリューションで、そのサービスのひとつとして図書館サービスもある、というところでしょうか。

さらに、総務省から出されている各種の資料を見る限りでは、「図書館の図書貸出予約のオンライン化」は住民からの要望もあり、オンライン利用の促進対象手続ともなっています。電子化やオンライン化のメリットが目に付きやすい、という点もあるのでしょう。かつASPやSaaSの利用が「情報システムの開発コストの軽減、開発期間の短縮、運用に係る負担の軽減等のメリット」があるとされており、今後も続くのではないでしょうか。

話を戻しますが、NECのプレリリースで気づいたこと2件。

  1. 図書館「業務」システムをSaaSで、とは書かれていない。OPACも連携対象として絵に描かれているだけかもしれない。
  2. 「(2)複数の図書館をまたがって」とは?

別のセミナーでも、ベンダさんから「ASPやSaaSも不可能ではないが、顧客数や信頼性を考えると現時点では業務系システムはローカルに置きたい」との意見もありました。何だかんだ言ってカスタマイズが多く入ってしまう業務系システムをSaaSにするよりは、共通仕様と最小限のカスタマイズで運用できそうなWikiやSNS、ILLや横断検索(これは県立クラスがtarget?お値段から)であればデータセンターでまとめてサービスできる、と踏んだのでしょうか。

また、以前、Ex LibrisのSFXに論文レコメンドを付与するサービス、bXについて紹介しましたが、ここでは「複数の "OpenURL Linking Layer"(=大量のSFXのデータ)をOAI-PMHで吸い上げる "Recommender Service Layer" を構築。ここにbXが位置する。」とありました。(薬学図書館 Vol.54 No.3, 2007のプロダクトレビューに紹介記事があります。id:mmtwins さま、このblogをご紹介いただきありがとうございました。)

この文脈で、「(2)複数の図書館をまたがって」を考えてみました。
現在は、図書館同士の連携システムというとILLぐらいしか思いつきませんが、貸出履歴データの共有とレコメンド、また自治体を超えたILLやレファレンス記録の共有などを考えると、図書館の業務系システムも単館で存在するより、お互いに連携させることで新たなサービスを生み出す、そういう戦略が裏で存在するのではないでしょうか。(しかも同一ベンダで固めれば県下の市町村の図書館システムのシェアはアップ。)

考えてみればNACSIS-CAT/ILLのようにセンター館を介した連携はあっても、図書館システム同士がPeer to Peerに連携するシステム、という発想は正直ありませんでした。うまくAPIが共通化されて、オープンな形での連携が可能なシステムを考える、というのも面白そうな話ではあります。

とはいえ、先のbXやPrimoの動きを見ていると、統合検索や各種の仕様自体はオープンにはしているけれど標準化せず自社製品に特化させ、結果として「囲い込み」が始まっている、と見ることもできます。それとも事実上のスタンダードとなるのか。あとは開発する人=図書館員の努力しだい、ということでしょうか。


「ムフフ」はJR東日本の割引サービス「トクだ値」のネコから頂戴しました。尻尾が「JR」な以外、何の他意もないです。

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