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2007年10 月

国立国会図書館がソーシャルブックマークを始めると誰が予想しえたのか。

一気に10光年ぐらい引き離された感じがした。ただ唯一の国立図書館の力を見せつけられた。

「10月中旬より提供予定」と告知されていた国立国会図書館デジタルアーカイブポータル PORTAが公開されたとカレントアウェアネス-Rで告知されていた。

とりあえずユーザ登録。このページを読んだらすぐ登録すべきだ。

検索そのものは以前のプロトタイプとそれほど変わらない(ように見える)。エンジンはGETA。ただし使いやすさは格段にアップしている。

ここで強調すべきなのはこのサイトの「ポータル」度の強さだ。ユーザ登録してパーソナライズ可能な実装を列挙してみる。詳しくはヘルプを

  1. ユーザ種別に応じた検索対象等の設定

    一般、図書館員、自然科学系、人文科学系、子どもの5種類から所属ユーザグループを選択できます。各グループに応じた検索の設定(検索対象、分類等)が初期値として予め設定されています。初回ログイン時にはユーザグループの設定がデフォルトで反映された状態となります。(ヘルプより)

  2. RSSフィードの登録
    ログイン画面に好きなRSSフィードを登録できる。しかも複数。
  3. ブックマーク
    検索結果をブックマークとして登録できる。しかもタグ+コメントも付与できる。そして公開可能。超ソーシャル。スイーツ。☆とかつけられると最高。
  4. レコメンド
    検索結果の「おすすめ」をクリックすると…
    「この資料を閲覧したユーザーは他に以下の資料を閲覧しています。」
    これが蓄積されていった暁には…。

国立国会図書館がソーシャルブックマークを始めると誰が予想しえたのか。斜め上を行った展開。

画面を構成する部品であるポートレットはiGoogleばりに自由に移動可能。
APIなんて当然のように実装済み。他のデータプロパイダとの横断検索のほか、PORTAそのものがデータプロバイダとして機能する。

 PORTA自身がデータプロバイダとなり、外部システム等がPORTAの検索機能をシステム的に活用可能となるよう、API(Application Programming Interface)を提供します。APIの種類としてOAI-PMH、SRW、 OpenSearch、OpenURL等を想定しています。現在提供準備中です。
(「連携を希望される機関の方へ」より)

来る図書館総合展とかでも詳しい話が聞けるのだろうなあ。きっと。

い、いや、悔しいとか、己(と自機関の)の無力さを嘆いているとか、そういうわけじゃないんだから!素直に「すっげえ」と褒めているだけなんだからぁ!

…「連携希望」と書いてメールでも出そう。俺たちは負けない。(←誰に?)


LibXと対峙してみた (Catalog激闘編)

※この記事は2010/03/23に一部追加修正を行いました。

さて、日本のベンダを相手にしていないLibXにどうやってうちのOPACの検索を実装するか。

とりあえずソースを読むことにする。何か書いてあるだろう。昔はソースからxpiをビルドしていたわけだし。

古のconfig
ではCatalog & Databasesで設定できるのは、

# The catalogtype.
#
# It must be one of millenium, horizon, aleph, voyager, or sirsi.
# Or, it can be sfx, sersol, and bookmarklet.
# sersol does a search in Serials Solution's Journal Linker
# sfx does a search in SFX's Journal search interface driven by OpenURL.
# bookmarklet allows generic searches.  An example is below.

とある。bookmarkletがなんとなく使えそう。読み進むと、


# Search VT Electronic Theses and Dissertations
$catalog2.catalog.type=bookmarklet
$catalog2.catalog.name=VT ETD
$catalog2.catalog.url=http://scholar.lib.vt.edu:8765/query.html?qt=%Y&col=theses&charset=iso-8859-1
$catalog2.catalog.options=Y

のように、catalog.type を bookmarklet にして、URL中に検索後を埋め込む方法があるようです。この例では %Y=keyword. で、その他の検索項目は以下のものが使えます。

#       Use a ; separated list to change that.  The codes are
#       'i' - ISBN, 'is' - ISSN, 'a' - author, 't' - title,
#       'Y' - keyword, 'c' - call number
#       'd' - Subject

こちらのOPACにあてはめると、例えばタイトルの検索はURLで

http://opac.cc.affrc.go.jp/alis/summary.csp?TL=%t&TLopt=AND&TLKopt=&DB=all&kikan=1&Srt=TL&SELECTgroup=0&RANGE=50&SELECTkikan=0&LANG=JPN

となります。
設定方法は、Catalog & Databases 右から「Bookmarklet」を選択して、以下のように設定しました。

Bookmarklet Name
ALIS WebOPAC(Title)みたいに名前をつける
Bookmarklet URL Template
(先のURLを入力。タイトル検索だから TL=%t)
Bookmarklet Search Options
(検索対象を入力。タイトル検索だから t)

このようにして作成したアドインはTest Pageからインストールできます。例によって自己責任でお試しください。テスト用の項目もありますので、どんなことができるかがつかめると思います。SFXもご利用いただけます。なお、SFXは社外からはアクセスできないので実質的には利用できません。OPACのみお試しください。また、仕様は予告なしに変更されることがあります。

把握している点をまとめてみました。

  • インストール
    • FirefoxまたはIE8でで「Click here to install LibX AFFRIC/MAFFIN Edition」をクリックすると、自動的にソフトウェアがインストー   ルされます。許可を求めるダイアログが出ますがそのまま進んで下さい。
      Firefoxを再起動すると、プラグインが利用可能になります。
  • できること
    • ブラウザ上のツールバーから、ALIS WebOPAC、SFX、google scholar、SFX電子ジャーナルリストの検索が可能。
      SFXはPubMed ID、DOIからの検索も可能。
    • Webページ上のISSN、ISBN、PubMedID、DOIとおぼしき文字列について自動的にリンクを生成し、OPACやSFXにリンクします。
    • Webページ上の任意の個所を選択→右クリックでOPACやSFX、Google scholarを検索できます。
    • Webページ上の引用文献部分を選択→ツールバーの「Scholar」へドラッグするとSFX/Google Scholarに当該論文を検索に行きます。(時々失敗します。)
  • 未完成部分
    • ISSNとISBNの認識に失敗し、正しく検索されないことがあります。
      このような場合は範囲選択→右クリックでISBNを選択して検索して下さい。
    • ISSNについてはSFXでの検索をお勧めします。
    • SFX電子ジャーナルリストの検索が動いていません。今はリンクしているだけです。
  • アンインストール
    • Firefoxの[ツール]-[アドオン]から「LibX MAFFIN」を選択して「削除」を押して下さい。Firefoxを再起動すると削除されます。
    • IE7/8は[コントロールパネル]の[プログラムの追加と削除]からアンインストールできます。

結構使えそうです。日本のOPACも対象にしてはもらえないかと思うこのごろです。


LibXと対峙してみた (基礎設定編)

「巨人・大鵬・卵焼」も今は昔、リーグ優勝がかかった巨人戦も地上波の中継はなく、大相撲にもかげりが見える今、注目されるべきは卵焼き。これからは卵焼きの時代ですよ。出汁入りが好きです。

そんなこんなで9月も過ぎ、10月になりました。

9月は2009年3月カットオーバ予定のシステムの基礎設計のための委員会開催とそのネタの仕込などの準備でばたばたしていましたが、ちょっと手が空いたので仕込みに入りましょう。

Next-LのメーリングリストではFirefox用検索プラグインやiGoogle対応ガジェットなど「Library Gadget」の話題が今ホット(アーカイブをどうぞ)です。弊社のほか、広島市立図書館がgoogleツールバーボタンを作っていたり、Myrmecoleonさんは「簡単に図書館の蔵書検索ガジェットが作れるジェネレイター」を作られています。また、「Myrmecoleon in Paradoxical Library. はてな新館 - GreasemonkeyでAmazonから探せる図書館まとめ」もおすすめです。

で、こちらは1年上放置していたLibXに手を出してみました。

以前は敷居が高かったので放置していたのですが、最近になってブラウザ上で設定ができるEdition Builderで簡単にFirefox用アドインが作れるようになっていました。

大まかな手順は以下の通りです。

  1. 「My Edition」からEdition Builder上の自分のアカウントを作成
    メールアドレスとパスワードを入力すると、未登録の場合は登録用のボタンが現れます。
  2. また自分のEditionを作っていない状態なので、「All Edition」に戻って右側の「Build a new edition」から設定を行う。
    設定項目は以下。
    • Description
      • Edition名、短縮名、作成者のメールアドレスを設定
    • Shortcuts
      • ボタンからリンクするページ名とURLを設定
    • Catalog & Databases
      • ここがキモ。検索対象にするOPACやOpenURL Resolverを設定
        日本のベンダのOPACなどあるはずもないのでとりあえずGoogle Scholarを設定してみた。
    • OpenURL Resolvers
      • リンクリゾルバを設定。SFX、Webbridge、SerialsSolutionsが設定可能。
    • Proxy Access
      • EZ ProxyとかWAMを使用していたら設定するといいみたい。
    • Options
      • ロゴにする画像などの設定
    • File Managements
      • ロゴ画像のアップロードなど管理インターフェース
        アイコン用とダイアログで使う画像の2つをアップロードします。
  3. 設定が終わったら「My Edition」に戻って右側の「testing」とある場所をクリック。
    「Revision Test Page」から、設定したリンクリゾルバやOPACなどのテスト画面(Firefox、IE7へのテストインストールはこの画面から)へ、「Build Revision #1」を押すと設定変更を反映。
  4. 「Revision Test Page」でテスト、不具合があれば再設定、再度Buildという流れを繰り返す。
  5. 完成したら「Make Revision #1 Live」で公開用リンクを生成。これで公開用の.xpiファイルが生成されます。いったん状態が Live になると、設定変更はできません。新しいRevisionを作成する場合は、「Copy Revision #1 forward」で複製(=Revision #2)を作成してこれを修正します。

で、Catalog & Databasesには日本のベンダのOPACはないので、どうしたものか。OPACを検索するモジュールはJavaScriptで書かれているので、これを追加して設定ファイル(config.xml Revision Test Pageから見られます)すればOKかと思ったらさにあらず。

このあたり、次項に続く。


空港で走る男

第24回医学情報サービス研究大会での発表も何とか終わり、タクシーで駅前のバスターミナルへ。帰りの飛行機は満席が多く、15時過ぎの便しか取れなかった。確か空港行きのバスは結構出てたから安心。

バスターミナル。14:00。次の空港行きは14:15発。空港までの所要時間は45分。で、帰りの飛行機は…15:15発。あれ、15:30発ぐらいじゃなかったっけ。記憶違い? とにかく、チェックインは15分前…だよね。確か。

落ち着け。落ち着こう。とりあえずそこのみやげ物屋でカステラをゲットだ。急げ。ばーちゃん、それとこれとアレで3本頂戴。おつりはいるよ。

定時にバス発車。とりあえず一番前の座席をキープする。もし乗り遅れたら…。とりあえず別の便で伊丹でも関空でもセントレアでも少しでも東に行ってあとは新幹線か。それとも長崎駅へ戻って博多経由で新幹線か。それ間に合うのか。様々な選択肢が駆け巡る。

14:59。空港到着。そしてJALのカウンターへダッシュ。空席を確認してくれた。「…了解しました。JAL1名アップしまーす。」あ、乗れそう。「お客様、走ってください。」

羽田ではよく無線を持ったグランドクルーに先導されて走る人を見たが、まさか自分がそうなるとは。

階段を駆け上がり、ロープをくぐってセキュリティチェックへ。さすがにここはスルーできない。なぜか警報が鳴る。念入りなボディチェック。頼むよ。こちとら善良な一市民だ。

セキュリティチェック通過。搭乗口は目前だ。さらにダッシュ。ゲートイン。離陸まで10分。間に合った。ほぼ満席のA300で痛い視線を感じつつ着席。一気に疲れが。

離陸。今度はゆっくり来よう。テキストはデイリーポータルZのT斎藤さんの記事とここ


第24回 医学情報サービス研究大会(2)

朝が来た。やっぱり朝から暑い。ここは九州。耐えられずにタクシーで会場入り。

今日は9時からチャペルで日曜礼拝が開かれる。パイプオルガンが聞きたいなあとか思いつつ機器の設定や接続確認などしてあっというまに発表の時間がやってくる。

時間前からぱらぱらと人が集まりつつある。何もしないのももったいないので、YouTubeにつないで「ねこ鍋」&メイキングをエンドレスで流す。まさにWeb2.0でConsumer Generated Mediaな事例。

礼拝が押したようで、10分遅れでスタート。「「ねこ鍋」&YouTube=ユーザ参加。これまでにない事例。これがWeb2.0。」これが今日のつかみ。続いて畳み掛けるように昨夜作ったスライドとデモ敢行。そして本題へ。「Web2.0時代の新たな図書館サービス」ということで、Web2.0の概要から弊社におけるRSS関連の取り組み、これをベースにしたOpenSearchやタグクラウド、ブラウザ検索用プラグイン、Plaggerでまとめたfeedのblogへの自動投稿など、OPAC2.0な取り組みをまとめてご紹介。今までの総まとめ的に。

時間は約60分を予定。しかし手元の時計と残りスライドから判断すると足りない。明らかに時間が足りない。昨夜に作ったスライドの分ぐらいは延びている。どう見ても蛇足だった。あああ。でも喋りは止まらない。止められない。ノンストップマシンガントーク。参加された方から、熱心にお聞きいただいている空気が伝わってくる。ありがたいことです。
演台へそっと差し出されるメモ。「あと10分で終わってください。」事務局からタオルが投げられた。
話題を何とか収束させる。やっぱり10分強超過。スタッフの皆様ごめんなさい。

せっかくなので、「現代の図書館」49(2)の林原稿抜き刷りをJLA非会員の方限定で配布。何名かの方は直接取りに来て頂いた。お読みいただいてありがとうございます。ご感想などお寄せいただければ幸いです。

一般講演、写真撮影の後昼食。食券制で事前販売だったので実行委員の方に残りを伺ったら、事務局の分をお譲り頂いた。ありがたきご配慮。
最上階の食堂でNDLの友人と歓談しつつ本場のトルコライスを食す。やっとひといき。

実行委員の皆様、本当にお世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。特に川蝉さん、お話できてうれしかったです。
来年のつくば大会では精一杯働かせていただきます。(なぜか実行委員になっているわたくし。)

しかし、本当の悲劇はこの後訪れる。
(まだ続くよ)


第24回 医学情報サービス研究大会(1)

一ヶ月もたってから記事を書く無精ぶり。すみませんすみません。

慢性的ネタ不足とともに降り立つは長崎空港。雨上がりの晴れ模様。暑。
高速バスで市内に入り、いったんホテルにチェックイン。そして会場へ。

今日の会場はオランダ坂の途中。というか急坂の上。坂→(校門)→階段→坂のコンボ。ああ、見晴らしがいいよ。影が濃いよ。まだ夏だ。
ようやく会場の校舎へ。途中で実行委員の方から資料一式を頂く。

もう午後もそれなりの時間なので、ポスターセッションダイジェストとプロダクトレビューを聴講。最近はオンラインジャーナルに加え、電子ブックの紹介が多いように思う。
その後、企業展示などして情報収集。顔見知りの担当の方も多く、「明日の講演、楽しみにしてますよ~。」とプレッシャーをかけられる。Help me。

別室でちょっと休憩。NDL関西館の友人がJLA委託図書を絶賛販売中…ってお客いないよ。気づいたら医図協さんからも含め2冊お買い上げ。「健康・医学情報を市民へ」(奈良岡功[ほか], 医図協)と「公共図書館のための消費者健康情報提供ガイド」(アンドレア・ケニヨン[ほか]著, JLA図書館実践シリーズ 6, JLA)どちらもネタは健康情報。30も半場を越えると気になりますよね。じっと腹部を見るこのごろ。

懇親会は長崎水辺の森公園のレストラン。イタリアン。ピアノ生演奏有り。おしゃれ。さらに「明日の講演、期待してます」とプレッシャー。でも食事はおいしく頂く。

すっかり和やかな雰囲気でお開き、ホテルへ戻る。

ネタだよ。どうしよう。昨日に引き続きWWW::OpenSearchと格闘。なんとか見せられるものができた。ついでに高橋メソッドで説明用スライド追加だGoGo。
(続く)