講演、発表

第8回図書館総合展 (2nd Day)

 図書館総合展2日目。今日は遅めに11時に会場入り、そのままブースで説明対応。なぜか不在の時に限って尋ねてこられる方が多く、申し訳なく思う。失礼しましたが、いつでもご連絡ください。
 昨日に引き続き、「RSSを」と言われると呼ばれてその都度弊社の取り組みについて説明。その他、通りすがった方をキャッチ、「…研究はちょっと…よくわからないし…」という方には、半ば強引に弊社(の関連研究所)の研究成果のうち、一般消費者にもなじみのある

などの研究成果を紹介、これらをタイムリーにキャッチできるツールとしてのMAFFIN News Feeds CenterとRSSに結び付けて紹介するなどの地味な広報活動を展開する。また、夕方のプレゼンテーションも「まだ席はあるか」などと聞かれるなど関心は高い。ぜひ聴講をお願いしますと回答。昨年よりは、RSSそのものの知名度も上がっているようだ。
 もちろん、農業高校など弊社のターゲットとなる顧客の皆様には文献データベース、研究報告などの全文情報閲覧などをアピール。必ず聞かれるのは「あの、費用は」というMoneyな話だが弊社のサービスはすべて無料。これは大きなアドバンテージとなり、「なら触ってみたい」ということでその場で利用登録をされる方もあり。
 一方で、農業系学部がある大学図書館ご担当の方からは「去年と同じなの?」という厳しいご指摘も。収録データを増やしたり細かい改良は繰り返しているが、大筋では同じ。「本年度中にはDBシステムを更新予定」など今後の計画をご説明し凌ぐ。
 
 そして午後。夕刻になり弊社の所長も来場。プレゼンテーションの時は近づく。
 ぽつぽつと人が集まりだす。開始は17時で、それまでフォーラムに出席している方は終わってから駆け込みで来るだろうと見込み、定刻より開始。
 与えられた時間は40分。うち30分でスライド説明、5分弱でデモ、後は質疑応答に当てる。資料は追って公式サイトで公開予定。
 スライドの説明の中では、

  • RSSによる新着情報配信の開始と、これを通じての新しいサービスの可能性を検討
  • 誰でも自由に書誌データをXMLで引き出せる次世代のOPACを開発
  • 「書誌データを公共財にする」

点を強調し説明。デモした事例は3点。

  1. タグクラウド
  2. blogへの自動投稿
  3. 取得したXMLデータを全文検索システムHyper Estraierで他のデータベースと共に再構築、横断検索(これは今回がお披露目)

 いずれも「OPACの機能拡張ではなく、XML出力機能を利用して第三者が同様のサービスを構築可能」であるOPAC2.0の特徴の一つを強調して説明。ちなみに、タグクラウドは直接RSSを取得しタイトルに形態素解析をかけて生成しているが、残りの2つは主にPlaggerの機能による。blogへの投稿は、Plaggerで前処理したフィードをMovavleType投稿用のPerlモジュール(Net::MovableType)に通して自動投稿している。

 質疑。TRCMARCなど市販MARCの利用と再配信について問われる。いつかは考えなければならない問題ではあるが、現時点では弊社OPACのデータは省内、研究所発行物などいわゆる灰色文献の書誌が中心のため特段の問題は生じておらず、また各種MARC作成者とはコンタクトしていない、と回答。内心、市販MARCについても、一旦各館でデータを購入したら、あとは自由に公開させてもらえればよいのに、という思いはある。いずれ、このような情報公開の形態が普及すれば何らかの形で解決したいとは思う。

 プレゼンテーション終了後は何人かの方と名刺交換をさせていただく。旧知の方もいらっしゃり、「(情報管理4月号の)論文を読んだだけでは分かりにくかったが、講義を聴いてやっとコンセプトが理解できた」等のコメントを頂く。聴講していただけたことをありがたく思う。

 閉場後には別のお座敷が待っている。そう、mixiの司書コミュニティのうちOPAC関連トピックのうち、興味ある方を対象にしたオフ会だ。集合と名刺交換などの後、一路中華街へ向かう。
 宴は盛り上がる。各所で行っているOPACを関連とした機能改良の取り組みや、先日から動き出したProject Next-L(サイトが公開されました)の熱い説明(とリクルート)などもあり。とにかく、現状のOPACに機能不足を感じ、様々に改良を行ったり関心のある方と意見交換できたことは大きな収穫でもある。こういう現場レベルでのコミュニティが形成できることは仲間が増えたようでうれしい。

 連れ合いはつくばへ戻らないといけないので、終宴後は失礼ながら2人ともども早々に退席。うまく日付が変わらないうちにつくばへ戻れたようだ。
 こちらは、ホテル入りしてそのまま爆睡。やはり3日分の疲れが出たようだ。

 そして迎える最終日。Don't give up. 走り続ける。


XooNIps library module v.1.0成果報告会

 XooNIps library module v.1.0がリリース、ということで成果報告会に出席。

 バージョンアップされた点は、

  • MODS対応スキーマを前提としてCiNiiへの対応を考慮
    JuNii、JuNii2にほぼ対応
  • EXCELファイルからのデータ一括登録に対応
  • 幅広いコンテンツに対応できるよう、アイテムタイプを変更、新設
    同時に入力項目も見直し
    アイテムタイプは以下の通り
    • Article (旧 Bulltin)
    • Book (旧 Rarebook)
    • Photo
    • Website(新設)
    • Video(新設)
    • Sound(新設)
    • Data(新設)
  • MODS形式での出力をサポート

 など。スキーマをMODSにしたのは、通常の目録入力作業の一環としてメタデータの入力も考えており、元々はMARC21で入力しているため作業者の理解が容易、またタグも英語で分かりやすい、DCより表現力がある、目録との互換性の確保、などが理由。実運用を考えたら、確かに慣れているデータの入力手法のほうがよいのかも。
 ただし、最初からMODSでデータ入力をするのではなく、アイテムタイプごとに必要な情報を入力し、出力時にMODSを使用するとのこと。

 帰ったら早速XooNIps XSAS版をインストールして試してわくわく…と思ってよく話を聞いたら、まだJuNii2対応の部分がfixされていないので、テストは待って欲しいとのこと。なので試験はちょっとお預け。

 そのほか、独自の試みとして、検索エンジンをMySQLではなくGoogle MiniやGoogle Custom Search(Google Co-op)を利用した事例が紹介された。XooNIpsでもPDFファイルの全文検索はサポートしているが、機関リポジトリのように大量のファイルとページ数が相手となると検索速度が低下するため、Google Mini等を試用しているという。管理画面も見せていただいたが、検索インターフェースはかなりカスタマイズ可能。検索結果は基本的にはXMLで出力され、これをXSLTで変換して表示しているため、Googleライクにもそうでない結果表示にもできる。カスタマイズの自由度はGoogle Miniの方が高いとのこと。

 また、今後の展開としては、SFX/Metalibとの連携の計画が上げられた。
 まずは、SFXのナレッジベースに慶應のリポジトリKoaraの掲載誌名等を一括でアップロード、Metalibの検索結果からこのSFX経由でKoaraの誘導させる(フェーズ1)、またMetalibはOAI-PMHを話せるので、Koaraからメタデータをハーベストした上で、Koara側でOpenURL対応を行い、SFX/MetalibのFull Textターゲットとして誘導させる(フェーズ2)、などが計画されている。

 弊社でもSFXを導入しているので、このあたりも興味深い。
 この界隈の動向は、「機関リポジトリをどうやって構築するか」から「どこからアクセスしてもらうか」「どうやって収載論文の可視性を上げるか」にシフトしているようだ。弊社としては、「周回遅れ」にならないよう、先端の動向を収集しつつ最適解にトライ、というところか。

 説明会の後は例によって懇親会。夏に顔見知りになった方々を含め情報交換。
 うちでも早くリポジトリのプロトタイプぐらいは作りたいのですが。


 帰宅の途上、時間があったのでヨドバシAKIBA店へ。いつもより店外に人が多い。そういえば入り口付近に「何かを待っている」風情の人が着々と増えていた。ぼーっと電光掲示板を見る人、携帯をいじる人、何かしらPDAで入力している人。一様に「俺は待ってるぜ」なオーラが見える。

 そうだ、11日はPS3の発売日だ! 某ニュースサイトの記事は、ネタではなく本当だったんだ! 外は冷えるし炊き出しとかあったらどうしようといらぬ心配をしてしまったが、とりあえずは地下駐車場に収容されて並んでいる模様。そうか、それなら冷えないね。並んでいたら買えたかも。(←無理)

 その後、ニュースで「購入希望者数千人、アキバに集結」の報道も。数千、というのはサバ読みとの情報もあったが、新宿では、午後11時に「完売」の報も。恐るべしPS3。