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トラックバック可能なOPAC

 「OPACでもamazon.comのようにレビューが書けたり、他の書籍サイトのようにトラックバックができればいいのに」という声がもれ聞こえます。OPAC+CGM(Consumer Generated Media:ユーザ参加型メディア)といったところでしょうか。利用者がトラックバックを通じてその書籍の情報交換ができるOPAC。ニーズはありますか?

 ぼーっとそんなことを考えていたら、手持ちの材料 -RSSフィードとMovableType- でできそうな気がしてきました。

  1. 新着情報のRSSを1本にアゲリゲート
  2. XML-RPCでMovableTypeに書誌情報を順次送信、1件1エントリとして自動投稿。
  3. コメントやトラックバック受付の可否は自動投稿時に別途設定。
    あとから図書館側でコメントの付与も可能。

 あら、簡単そう。でもXML-RPCが、と思っていたら、外部からの簡単なMovableType操作用のperlモジュールNet::MovableTypeがあることを「僕と云ふ事」のエントリ、「Net::MovableType でテスト投稿」で知りました。これなら簡単そうです。

 ということで先のエントリを参考にperlでスクリプトを書き、新着図書情報のRSSを元に、これらを細々と自動的に投稿するスクリプトができました。個別の書誌事項を一つのエントリとし、トラックバックが可能です。コメントと異なり、トラックバックならより高い匿名性も確保できそうです。匿名の良し悪しはともかくとして。

 出力結果はこんな感じです。とりあえず53件を登録。検索もできてちょっとよいかも。

 あとは出力するフォーマット、スタイルや書誌事項の表示方法の調整がまだなので、ぼちぼち直す予定です。また、カテゴリやタグをどのフィールドからどう切り出して表示するか、できれば固定リンクは書誌IDなどOPAC側のユニークIDを使ったファイル名として、OPAC側からのリンクを張りやすくするなど、もうちょっと工夫が必要そうです。せめて所蔵機関ぐらいは表示させておきたいですね。

 メリットとしては、新着図書を月別/週別/日別/カテゴリ別などで参照でき、トラックバック等が可能であること。既存のOPACの付加機能としてはいかがでしょうか?
 また、最小限でもRSSで書誌事項を送ってもらえれば他館の新着図書についてもアグリゲートできるので、共同目録的な使用もできるかもしれません。

でも公共図書館などで利用して、小説などのネタバレをトラックバックされると厳しいなあ。やっぱり監視付き?


 神の導きか、講演予定箇所がもう一つ増えました。大阪です。10月と先の話ですが、関係者の皆様よろしくお願いします。


専図協全国研究集会初日+雑記

 たまには気楽に雑記。

 今日明日は専図協全国研究集会参加のため日本科学未来館へ出張。
 つくばエクスプレスを秋葉原駅でうっかり寝過ごし、折り返して発車する寸前に飛び降りたのはともかく、新橋からはゆりかもめ。無人で全自動で運行。それを見た修学旅行生と思しき中学生が一言、

「こんなに科学的になっているんやなあ」

 「科学的」。サイエンスの前線で仕事をしていてもついぞ聞くことのない言葉。彼の中では「科学的=カコイイ、スゴイ」と同義なのだろう。人はいつまで「科学の力」を信じていられるのだろう。世に伝え残す側として、胸に刻んでおこう。

 16:15から基調講演。「図書館を使い倒す!~取材の現場からの期待と注文」 千野信浩氏(ダイヤモンド社 週刊ダイヤモンド編集部)を拝聴。詳しくは著書「図書館を使い倒す!」を参照されたい。

 取材という実戦の中で、必要な情報は何か、手に入れるためにはどこに行けばよいのか、そしてそれらが可能なサービスを行うためには何が図書館に必要なのか。図書館を実際に訪れ使いこなしている者からの言説には説得力がある。現場で百戦錬磨の記者と自分と相対したら、明確な、そしてそんなハイレベルのユーザを満足させれるサービスができるのか。自問自答。いずれにしても、もっと既存の理念や理想にとらわれない外部ユーザの視点から、図書館の意義についての発言があってもよいと思う。

 懇親会も出席。顔見知りの方と挨拶したりされたり。また紹介されたり。以前はお互い「名前は聞いたことがある人」で終わっていたが、最近になってこうした繋がりから新たな協力関係やサービス展開に繋げてゆく事ができるようになったように感じる。自分の立ち位置が変わってきたとでも言うのだろうか。ささやかながら、書き物その他が誰かの何かの役に立っていればと思う。

 帰宅。「ラ王2.0」の存在をとあるblogで知る。日清のプレスリリースによれば別に麺が2倍(当社比)なだけで2.0とは商品名には入っていないのだが、ここまできたのかと感じる。OPAC2.0なんてワードは今年を、いやこの夏を乗り切れるのだろうか。不安と共に就寝。


Re: WebOPAC XML Interface Preview Release 1

先日公開した、WebOPAC XML Interface Preview Release 1についてトラックバックを頂きました。まとめると、

RDF的にinvalid

とのこと。確かに、というかきちんと考えてみると、至極全うなご指摘。今埋め込まれているMODSはRDFではないので、RSS1.0+MODSという組み合わせはinvalid。

現状のままで(失笑を買いつつw)走るなり、RSS2.0なりATOMに埋め込みなおすなりして公開するのは簡単だけれども、サービスとそれを支える技術についてもっと基礎から考えていかないと、どこかで破綻したりせっかくのリソースが生かしきれない、そんな思いでいます。

ということで、トラックバックを頂いたg:web:vantguardeさんのエントリから手繰って最新の動向を勉強中です。ご指摘をいただいたおかげで、かえって視野が広まりました。ありがとうございました。


WebOPAC XML Interface Preview Release 1

 MS IGLOOとかサラリーマンNEOとかに気をとられているうちに、気がつくと前回のエントリから一ヶ月も経過。遅筆をご容赦ください。「サラリーマンNEO」で検索してこのサイトにこられた方、ここは図書館システムのネタが多く更新も遅いブログですが、こんな世界もあるのだと思ってソーシャルブックマークやRSSリーダに登録などしていただければ幸いです。

 で、セミナーなどで会う人ごとに「新ネタまだですか」とプレッシャーをかけられご要望を頂き、雑用に追われているうちに梅雨に入ってネタが腐りそうなので一部ですが出すことにしました。なので Preview Release1。別サーバ上に実装予定なので下記のリンクは変更を予定しています。

 とりあえず、以下のリンクをお試しください。認証が必要ですが、必要な情報は認証ダイアログに表示されるほか別エントリに書いておきましたのでそちらをどうぞ。

 いずれも、RSS1.0+MODSで書誌情報を出力。スクリーン用スタイルシートは準備中。なので生XMLでの出力ですがご容赦を。情報は十分あるので、ユーザの方でお好きに粋に表示画面を設計できる仕様です、というと何かフレンドリー。リッチなユーザ体験をあなたに。

 基本書式はシンプルに。

BASEURL/(ISSN|ISBN|書誌ID)

 mod_rewriteでISSN/ISBN/書誌IDを識別し、適切なqueryに変換しOPACサーバに送出しています。別サーバからURLをリダイレクトしているため、変換後のURLが見えてしまい今一なのでこれは次のリリースで改良予定。 

 デフォルトでは無駄にゴージャスに RSS1.0+MODS での出力ですが、RSS2.0やOpenSearch準拠での出力にもパラメータを指定して対応可能。
 また、ISSN等と同様にキーワードをURLに仕込んで検索可能な仕様にもなっていますが、「日本」とか「農業」のようなヒット件数の多い単語で検索すると切れそうなぐらい返事が遅いので、このあたりの詳細仕様をチューニング中。詳細は次リリースで。

 7月以降、東日本を中心に4箇所でライブツアーを敢行(講演とも言う)するので、ちょっとずつでも機能を増やしてネタとして使います。ご期待ください。というか感想やご意見などありましたらコメントなどお寄せください。