サービスを終了させる、ということ。
「国会図書館の本、全国で閲覧可能に」を深読みしてみた

インターネットの中にあるたいせつなもの

 ついにカレントアウェアネス-Rにも取り上げられた、「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」のエントリ、「[図書館][エレクトリック]図書館系ブロガーの皆さん、御協力お願いしますm(_ _)m」。

 つくばの無名(いやもう十分に有名か)の若者に、理由は定かでないけれどドイツから「日本の図書館ブログについて紹介文を書いてくれ」との依頼が舞い込む。そこで彼はblog上で「お手伝い」を募集。これに呼応する多くの人々が連ねるコメントとトラックバック。図書館退屈男も微力ながらコメントで協力しています。

 このblog自体は、NDLで10年勤続の感謝状を頂いたのを契機に書き始め、初めは方向性が定まらなかったのですが、INFOPRO2005でのRSSについての取り組みについての発表以来、図書館とその周辺のシステムにトライし挫折する苦悩、そしてWeb2.0とかOPAC2.0とかLibrary2.0とか納本ジャーとか中の人はインターフェース疑惑などについてとても遅いペースで描く激しくマイナーなblogとして今に至っています。

 いや、今回はそんなことはどうでもいいのです。
 今回のやり取りを見ていて、昔を思い出しました。

 冬のある日、つくばの無名の若者に、「インターネット上での図書館サービスの事例を集めろ」との上司からの依頼が舞い込む。まだ何のツテも人脈もない彼はnetnews上で情報を募集。これに呼応してくれた多くの人々が送るリプライと電子メール。見知らぬ人からの親切と情報。そして彼は国内のOPACのリストを取りまとめる。その過程の中で得られたものはpriceless。数年後、彼に異動の内示があるも、課長から「自分の息子のようなものだろうから、しっかり引継ぎをしてゆきなさい。」と指示があり、今はWeb担当係がその業務として更新が行なわれています。

 有名とか無名とか、若いとかベテランだとか、blogだからとか図書館員だからとかそういう問題を抜きにして、ただ「情報をくれ」という呼びかけにだれかが情報を持ち寄って呼応する。そんなやりとりができることが、素直にいいなと思います。

 そして時代は廻り、今度は自分が手助けできる番になりました。お手伝いになっていればいいのですが。そして、いつか彼がpricelessな何かをつかめますように。


 「最近システムなネタが少ない」とお嘆きの読者の方へ。(いない?)

 例によっていろいろ仕込みや調査はしているのですが、書けないこともあるのです。ホゲとホニャホニャを組み合わせたスペシャルカスタマイズ版OPAC(キーワードサジェスト有り)を見せていただき「やればできるじゃん」と不遜にも思ってみたり、「RSSリーダ同士でP2Pなんだ」な論文を読んだりしているとか。

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