図書館

今年も図書館総合展にGo

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溢れる想いは流線型、図書館退屈男です。

今年も図書館総合展の季節がやってまいりました。そして例年通り前日準備を含め4日間通して横浜にいます。弊社の出展も4年目になりました。会場出口付近、NIIさんのおとなりで営業しますのでぜひお立ち寄りください。

今年は自社ブースでのご案内もさることながら、フォーラムも盛りだくさんなので会議センターと行ったり来たりになりそうです。

とりあえず予定です。

…書き出してみたら例年にも増してヘビーなスケジューリングであることに気づきました。

なお、「もそもそと苦言を呈したい」など図書館退屈男の中の人目当てで弊社ブースへ来場ご希望の方はコメント欄等にてお知らせください。できるだけそのお時間を空けてお待ちしております。


Catalogerになりたくて

図書館退屈男。目録と図書館システム担当職員。でも目録は初体験。

「目録はじめてですぅ。レファレンスは何とかなります。でも得意なのはシステム系です」って、超少数派マイナー路線なのかもしれない。「今まで何やってたんですか」「それって、司書でなくてもよろしくなくて?」「覚えておきなさい。こんな司書、滅多にいないんだからね!」とか聞こえてきそう。
何か司書としてのIdentityを考えてしまう秋の夕暮れ。

とはいえ、係の主業務だから四の五の言わずにNACSIS-CAT目録システム講習会(図書コース)に「経験年数:3ヶ月」(20年6月現在)と正直に記入して果敢にエントリー、第5回を受講できることになったので行ってきました。(雑誌コースは落選しました。また来年。)
日程は10/15-17の2.5日間だけれども、今年度からは以下が必須になりました。これで0.5日分講習を短縮したとのこと。

通知は8/22付。約一月使って、しっかり予習してこいよ、ということですね。事前学習習得テストは10問/100点満点x3。とりあえずクリアできました。

この講習会はあくまで目録システムについて習得するものなので、日本目録規則(NCR)など各種目録規則については「概要を理解しており(記憶している必要はない)、規則を適宜、関連資料から参照できる。」ことが前提条件。目録規則そのものを教えてもらえるわけではありませんが、「NACSIS-CATの場合は情報源と目録規則をどのように解釈し規定の項目に入力するか」を学べます。

講師は大学図書館の方とNIIから委託を受けたNPO法人大学図書館支援機構から数名。略歴のご紹介はありませんでしたが、いずれ劣らぬ目録のベテランの方々とお見受けしました。

カリキュラムは大まかに以下のような感じで。各日の最後には容赦なくセルフチェックテストがあるのがポイント(先のセルフラーニングシステムを使います)。

  • 目録検索
  • 所蔵登録(1日目ここまで)
  • 書誌流用入力(階層なし)
  • 書誌流用入力(階層あり。親書誌子書誌とか中位の書誌とかはここで。)
  • 書誌流用入力出版物理単位(Volフィールドに追加するアレ)
  • 総合目録DBからの流用入力(2日目ここまで)
  • 新規入力
  • 書誌修正
  • 補講(3日目ここまで)

まず検索を覚えて入力対象書誌を確実にDBからヒットさせ所蔵を付与することを学び、参照ファイル(TRCMARCとかJPMARCとかUSMARCとか)からの流用、そして階層構造への変換(JPMARCには階層概念はない)。出版物理単位追加(NACSIS-CATでは「固有のタイトルを持たない」(例えば上下巻)は場合は同一書誌レコードになります。JPMARCはそれぞれ別レコードになっています。)。

このあたりをきっちり押さえてから、新規入力や書誌修正など、やっとNACSIS-CAT上のBOOKファイル上のレコードを直接触わる作業に入れます。この順序が、NII的に考える入力に要求されるスキルと実業務との関係なのかなあ、と感じました。つまり、「書誌修正」(参加館の独断で修正できる項目は限られます)はわかっていな奴は行ってはイカンゾ、と。共同構築している総合目録のポリシーと品質を維持する努力の必要性を肌で感じることができましたし、講師の方からもその意気込みが伝わってきました。

いずれにしても、集中して多数の事例の目録入力を行う、しかもベテランの講師のサポート付き、というのはハードですが勉強になるまたとない機会でした。


講習初日。実習中に質問をしたら、講師の方から話しかけられました。

講:「[図書館退屈男]さんですよね?」
図:「はい…。」
講:「まさか[図書館退屈男]さんがいらっしゃるとは…。」
図:「はあ…恥ずかしながら目録は採用15年目にして初めてなので…。」
講:「名簿を見て、『どうして』と思っていたんですよ…。僭越かもしれませんがよろしくお願いします…。」
図:「と、とんでもございません! こちらこそ…お手柔らかにお願いいたします…。」

周囲に「今度NACSISの目録講習にいくよ」というと、「講師ですよね?」「[図書館退屈男]さんが受講生だと、講師もやりにくいでしょうね~。」といわれる昨今。そんなことないんです。本当に目録系は苦手なんです。


前日はOpen Access Day記念? SPARC Japan セミナー2008 「日本における最適なオープンアクセスとは何か?」(資料あり)に参加してきたので、4日間NIIに通い詰めでした。しかもハイテンションなセミナーの気分を引きずったまま。疲れがどっと出た週末でした。この日は昼も「夜の部」もハイテンションでした。楽しい一夜を企画していただき、ありがとうございました。夜の部の詳細は、坂東慶太さんのブログあたりからどうぞ

このときにこっそり配布したLEGO図書館パンフレットは、改めてエントリを立てて公開予定です。LEGO話にお付き合いいただいた方、ありがとうございました。


レゴで図書館を作ってみた

図書館退屈男、趣味はレゴブロック。

以前にも一度レゴで図書館を作っているのですが、某所へ出品するため大幅に改築を図りました。

今回の設定はこんな感じ。

港湾地区における造船・運輸等関連企業からの情報検索のニーズの高まりを受け、ビジネス支援を主目的に置いたBrick Fan Town Public Library Branch of Bayside が近日オープン。運営は本分館のみ試行的に市直営から指定管理者に移行、「3日やったら辞められない」ほど有能と目される民間行政プロバイダSMS(Sea and Marine Servant)社が行う。建屋については既存倉庫の骨組みを流用、内外装をアレンジすることで経費節減と工期70%減を達成。
館内で小規模なセミナーが開催可能な会議室、情報検索端末の設置などが特色。
今後は、地元企業の協力を得つつ港湾部における情報拠点としてサービス展開を予定。

以下、写真でご紹介。パンフレット(PDF, 2.2MB)とその他の写真(flickr)もどうぞ!

Zenkei_2 全景です。中央のいるかのマークが目印。
Front 倉庫の搬入口だったところは総ガラス張りに。
Up 上方からの眺め。吹き抜け構造をとり、開放感を演出しています。

ここから内装と図書館用品です。

Meeting ちょうどセミナーを開催中。今日のテーマは「造船業関連規格の検索法」。
Bds 入り口にはBDS。
Bookcart ブックトラックも外装に合わせて赤色をチョイス。
Bunko 文庫本用回転式書棚もご用意。ハヤカワSF文庫好きのあなたもあんしん。
Counter カウンター周りです。小規模館なので職員は1~2名が常駐です。後ろの手洗い、わかりますか?
Desk キャレルデスクも3席あります。
Pc 情報検索端末を3台配置。端末の間は仕切りを入れてプライバシーにも配慮を。
一番手前は…スクリーンセーバですね。
Syoka 通常の書架は2段3連、集密書架は4連です。

こうして作った図書館ですが、9月13日(土)~23日(火)に那須ハイランドパーク『LEGOスタジアム』に展示され、大きな町の一つの建物になります。この図書館は、倉庫や埠頭、造船所が並ぶ港湾地区の一角、海を見渡せる角地にあります。詳細は下のアイコンからどうぞ。


【おまけ】

Kare

港町の昼下がり。仕事に区切りをつけた労働者諸君は昼食を買いに。

この町の一番人気は、図書館の裏手にある本場仕込のカレーライスの屋台。大きなズンドウに仕込んだライスとカレーは、あっという間に胃袋へ。もちろん、味はちょっと塩気のある辛め。


君はブックトラックの上に乗れるか

今日は平成20年度ERMS実証実験会議出席のためNIIへ。会場がわからず携帯で電話をするも切れてばかりでご迷惑をおかけしました>関係各位。
当面の取り組みとしては、実験計画の立案のほか、ベンダにアカウントとシステムの設定をお願いすること。課内の体制をどう整備しよう、とか考えながらヨドバシAKIBA(TX秋葉原駅の真上にあるので寄らざるを得ない)でCDを購入して帰宅。

帰りのTX車内でメールを読む。で、カレントアウェアネス-Eにこんな記事が。

このほか,図書館向け家具などの製造を手がけるDemcoのスポンサーによるブックカート・ドリルチーム(注)・ワールドチャンピオンシップや,(略)
(注)ブックカートを利用した集団創作ダンス

依田紀久. E816 2008年度ALA年次大会 <報告>. Current Awareness-E, No.132, 2008.07.23. http://current.ndl.go.jp/e816 [last access 2008.07.23]

あの、「ブックカート・ドリル」ってなに?

「ブックカート=ブックトラック」だろうけど、「ドリル=漢のロマン」ではなさそう(激しく違う)。今メールを見ている非力なEM-ONEαでは同記事にあったYouTubeの動画は見られない。気になる。同じ記事で、

またインターネットを使った即時的な情報共有も活発に促進され,Wikiを通じて会議の配布資料を共有したり,参加者によって撮影された多くの写真を,写真共有サイトFlickr(E443E636E788参照)上で「ALA2008」というタグを付けて共有したりするなど,新しい動きも見られた。

とあったので、取り急ぎFlickrを。"bookcart"で検索するといいですよ。

2646869791_f38e9d5d9e_m …ブックトラックの上に乗っていますね。
Uploaded on July 7, 2008
by ALA - The American Library Association
2647701848_6795139e11_m …ブックトラックの上で立ち上がっていますよね。
Uploaded on July 7, 2008
by ALA - The American Library Association
2647701142_42f91a21fd_m …それにしても、みなさんノリノリです。さすがワールドチャンピオンシップ。
Uploaded on July 7, 2008
by ALA - The American Library Association

プレスリリースによれば、8チームが参加したようです。日本からの参加はありません。
“Palm Desert Library Cart Attacks,” (Riverside County (Calif.) Library System)。「Cart Attacks」ですよ。元ネタはStreets of Fireですかね(OPでEllen Aimのバックバンドをしていたのが"Attackers")。カコイイチーム名。

動画がYouTubeにありましたので貼っておきますね。

ブックトラックの取り回しだけでここまでのアクションができるとは…アメリカのlibrarian恐るべしです。日本でも、キハラあたりのスポンサードで実現しないものでしょうか。

それにしても、参加者同士で写真をFlickrで共有するのはいいアイディアですね。JLAの全国図書館大会でも取り入れてほしいものです。

これはアレですね。来年は日本から「もってけ!セーラーふく」でエントリすれば全世界のOTAKUに大ウケで(以下自重)


changeclass - referencerからcatalogerへ

4月1日。朝9時。一枚の辞令。そして今日から目録(と図書館システム)の主担当になった自分。

PCと、5年の間にたまった書類を台車に積み、住み慣れたレファレンスカウンターを後にし事務室へ。「ナメクジの購入先」やら「タニシの養殖」といったレファレンスも懐かしい。

入荷した資料は待ってはくれない。書誌と所蔵をつけよう。誰が呼んだかcopy cataloging。当方では研究報告やら研究所の独自出版物など灰色資料の山。ここで作らなければ誰が作る。他の研究所で作成した書誌でも一応チェックしながら所蔵をつける。巻冊次で処理している年報類に間違えて子書誌のレコードをつけてしまったのは秘密だ。

そう、図書館退屈男、真剣に目録と対峙するのは就職以来初めてなのだ! 15年目にして走る衝撃!
(NACSIS-CAT対応の図書入力の研修は筑波大で受けたけどそれは10年前。)

引継で課せられた任務は、研究所間で共同構築している総合目録の品質管理と図書館システムのリプレースに向けた仕様策定、現行システムの運用。もちろん自館の目録作成も。OPACならともかく、業務系システムを実際に使いつつバグフィックスなどの面倒まで見るとは。なにこの業務の多さ。叫びたくなる。

Catalog...Catalog make me crazy...crazy! Catalog...NACSIS change everything!
......I've got nothing...nothing to loose. 
…いや、だからさ、あるから。失うもの。いろいろ。

目録について真剣に取り組むのもきっと悪くない。APIの公開は軌道に乗った。PORTAからも利用できるようになった。次は中身の充実だ。どんなに遠くてもたどり着いてみせる。

ということで、今年度はNIIに何度も研修に伺わせていくことになるかと思いますので、関係各位には何卒よろしくお取り計らいいただきたくお願い申し上げます。


果てしない引継ぎを終え、帰宅の途に。地元の大型書店を出て握り締めるは「ON THE ROAD 2005-2007“My First Love”(初回生産限定盤)」。2006-2007のツアーに参加できなかった図書館退屈男にもたらされるわずかな至福のとき。

入学…いや入院まであと一週間。筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程に通うことになりました。何も知らない新参者ですがどうか、どうかよろしくお願いします。

なので今日からこのblogもThird season。


MyOpenArchiveに目を見張った

http://www.myopenarchive.org/

オープン•アーカイブ•コンソーシアムは非営利組織の学術論文オープン化推進機構で、事務局を日本に置き、2007年夏に形成されました。
http://www.myopenarchive.org/blog/2007/09/open-archive-consortium.html

というサイトを発見。

  • 論文のアップロード
  • タグ付与
  • スターでの評価
  • トラックバック受付
  • 同著者の他の論文へのリンク
  • ブックマーク数の表示

などが主要な機能のようです。なるほど、登録された論文の「評価」もできますね。

興味津々でsignupしようとしたら「not invitation」と言われて。招待してもらわないとアカウントを作成できないようです。残念。

オープン•アーカイブ•コンソーシアムの中の方いわく、

通常、論文への「つっこみ」は、その研究者を取り巻く人のみで構成されていて、不特定多数によるコメントや評価付けってあまりない(最近は電子ジャーナル等が対応しつつあるが、やはり非常に限定的)。
ブログ慣れした人々なんかは特にこうした不特定多数により意見が反映される仕組みは皆必要性を感じてるだろう。そう、単なるオープンだけを追求するのではなく、共有し、そこからまた発展性を持たせる意味でのオープンさこそがこれから支持されていくと思う。
"[コラム] 論文サイトに対する皆の意見を聞いて"坂東慶太のブログ

ということで、ニーズとしても、

自分は学生でも学者でもないのですが論文を読んでいて、その論文に軽い気持ちで突っ込みたいって時はどうされているんでしょう?
「ここの図が間違っているよ」とか「この部分はユニークで好きだ」「ここは理解が難しい」とか。その論文を読んできた全ての人で共有されるようなものがあるのだろうか。
"論文に対するコメント" ひげぽん OSとか作っちゃうかMona-

や、

研究者として欲しい

  • 論文情報を簡単に手に入れられる(参考文献リストの作成を簡単にできる)
  • その論文がどこで手に入れられるかすぐにわかる
  • その論文の概要が読める
  • 参考文献、被参考文献間で自動的にリンクが張られている
  • 個人ビュー用として、勉強記録がつけられる(論文に対するメモは他人に知られたくないので)

"[発声練習] 学術文献を連接点とした学術情報のネットワーク". 発声練習

などの声が上がっています。

確かに、ゼミのレポートやちょっとしたデータを公開するのに適した場所、というのはないものです。いくらXooNIpsのように比較的敷居の低いアプリケーションがあっても、きちんと論文の蓄積と提供を、しかもそれを半永続的に運用するのはそれなりにコストがかかり、個人ベースでは難しい。かつ外部からのコメント付与などに対応したリポジトリシステムは聞いたこともなし。強いてあげれば、国立国会図書館デジタルアーカイブポータルが目録や雑誌記事索引の検索結果の一件一件にタグとコメントがつけられるぐらいでしょうか。近代デジタルライブラリーや青空文庫など、現物をアーカイブしているデータベースにも対応しているのでちょっと近いかも。

そこでオープンなアーカイブを用意する、というのはナイスな発想です。また、外から見ただけですがシステム自体もよくできていると思います。もうちょっと手を入れれば大規模なリポジトリにも対応できそうです。

個人的な希望を言えば、

などができるとよりgoodではないかと思います。

で、以下は参考になります。
図書館屋からみて「いまはこんな機能があるけど、今のシステムに加えてはどうだろうか。」という情報提供的な内容になってしまいました。
もうご存知の内容でしたら、失礼をお許しください。

「研究論文系ソーシャルブックマーク」としては、Nature Publishing Group が運営している Connotea などがありますが、こちらは論文自体のブックマークはできてもアーカイブまではサポートしていないので、ちょっと違うかもしれません。
ただ、機能としては、上記に加え

  • 登録は自由
  • 自分のwikiページを持てる
  • 内部に Community Page が作れる
  • ブックマークした内容は公開/非公開が選択できる
    「公開」の場合はログインなしでも閲覧可能→サンプル
  • RIS, EndNote, BibTeX, MODS, Word2007, Textで引用文献リストを出力可能
  • ユーザごとに公開されたブックマーク、タグの更新をRSS1.0で取得可能
    もれなくDublinCoreで出力も付きます。
  • (利用できるリンクリゾルバがあれば)設定可能
  • APIあり(要認証)(APIについての過去記事
  • コードはGNU GPLで公開(でも本物とはちょっと仕様が違うみたい)

などがあります。関連の記事にConnoteaについての言及がなかったようなので書いてみましたが、参考になるでしょうか。

大学の機関リポジトリでは論文の参照回数を執筆者にお知らせして好評を得ていると聞いています。そういう機能があったりするとうれしいですね。

あとは細かいところで言えば、

となると、すべての媒体(紙の論文、電子的な論文、本、記事、などなど)に一意に名前付けをしなければならないので厳しいかも。著者、署名、出版年月でたいてい一意になると思うけど。
"[メモ][研究] 論文感想共有の仕組み". 発声練習

については、商用ベースに乗っている論文にはDOIが、機関リポジトリ搭載の論文にはCNRI Handleがつけられていることが多いです。

いずれも、「外国のサービスに依存して、止まったらどうするんだ。国内でも同様のシステムを立ち上げるべきだ。」という意見もあるので、自分たちで作ってしまってもいいのかもしれません。それこそ維持が大変そうですが。

論文にこのような識別子を付与することで、アクセスの保障と一意の識別ができますが、この識別を代行し、論文本体へのリンクを提供してくれる機能がリンクリゾルバになります。OpenArchiveの場合は本文が配置されているURLでアクセスすることになるので不要かもしれませんが、外部からAPI経由で探しに来た場合にうまく対応してもらえるとうれしいです。

動作としては、とても概略すると以下のようになります。もうちょっと詳しい動作などは、増田豊, "OpenURLとSFX". カレントアウェアネス, 2002, No.274(CA1482)が参考になります。

  1. リンクリゾルバのURLにDOI、PubMed IDなどの一意のID、または論題、著者名、掲載誌など特定できる情報を投げる。(手法はOpenURL(ANSI/NISO Z39.88-2004)として標準化されています。)
  2. リンクリゾルバがCrossrefにDOIで照会し、論文の書誌事項を取得するほか、電子媒体のURLをユーザに表示。
  3. これを元に電子媒体にアクセス。
  4. 電子媒体がない場合は、ドキュメントデリバリサービスや他の図書館の目録検索へ誘導。この場合にも、取得した書誌情報を使用するので再入力は不要。

商用製品のリンクリゾルバとしてはEx LibrisのS.F.XOvid LinkSolverなどが多数ありますが、ソースが公開されているOpenResolverというリンクリゾルバもあります。(動作サンプルもあります。なお、ソースのあるftpサイトにはこの記事執筆時点ではtimeoutとなりアクセスできませんでした。)

長々と書いてしまいましたが、折角だれでもデータを溜め込める場所ができたのだから、そこも検索の対象としてお客様に提供できる情報を増やすことができれば、という図書館屋の思いが伝われば幸いです。

陰ながら応援しています。


Promotional material がきた

 くどいようですが図書館退屈男はレファレンス担当。プログラマーな人からは、なにか勘違いされて「リファレンス係…(Perlとかのアレ?)…普段は何を…?」と真顔で聞かれたりします。

 ということでカウンターにいるので宅配便などの受け取りもしています。今日届いた荷物はFedExから。ペンを持って立ち上がるも、なんとサインは配達員の携帯端末(「PowerPad」というようです。MotorolaのHCe700-Gに似ていましたが詳細は不明。プレスリリースにも記載はなし。)にスタイラスで直接書き込みです。ハイテクだ。ちょっとほしい。

 送り主はOvid Technology。いつもデータベースを使わせていただいていますが、インターフェースがOvidSPと呼ばれる従来のOvid Web GatewayとSilverPlatterと統合した新しいものになるので、その宣伝用セット一式が入っているようです。新機能としては、ファセット検索(件名、著者、雑誌名で絞り込めます)やシソーラスを使った上位下位の関連語からの検索、RSSによるアラートなどがあります。スペルミスも直してくれます。

 早速データベース担当の係に届けて開梱。同封されていたお手紙によると、内容はこんな感じです。

  • Quick Reference Card
  • OvidSP poster (配布用のパンフレットを収めるビニールポケット付き)
  • OvidSP display card (カウンター掲示用の立て札ですね)
  • OvidSP fact sheets
  • OvidSP pens (展示会とかでいただけるペンです)
  • OvidSP pin-back buttons (ピンバッチ。"wear them with pride!"だそうです)
    そして、
  • A fun desktop surprise!

 あの、"A fun desktop surprise!"って、なんですか?
 もしかすると、これ↓ですか?

Fun_2

 これ、なんでしょう。なんていう名前のものでしょう。ゴムっぽくて、ぐにぐに曲がって、なんだか気持ちはいいのですが、冷蔵庫に貼り付けたり何かを縛るのには向いていないようです。確かにいきなり机に置いてあったらsurpriseしますが。でもうれしいものです。

 …とりあえず自席においてみようと思います。


第24回 医学情報サービス研究大会(2)

朝が来た。やっぱり朝から暑い。ここは九州。耐えられずにタクシーで会場入り。

今日は9時からチャペルで日曜礼拝が開かれる。パイプオルガンが聞きたいなあとか思いつつ機器の設定や接続確認などしてあっというまに発表の時間がやってくる。

時間前からぱらぱらと人が集まりつつある。何もしないのももったいないので、YouTubeにつないで「ねこ鍋」&メイキングをエンドレスで流す。まさにWeb2.0でConsumer Generated Mediaな事例。

礼拝が押したようで、10分遅れでスタート。「「ねこ鍋」&YouTube=ユーザ参加。これまでにない事例。これがWeb2.0。」これが今日のつかみ。続いて畳み掛けるように昨夜作ったスライドとデモ敢行。そして本題へ。「Web2.0時代の新たな図書館サービス」ということで、Web2.0の概要から弊社におけるRSS関連の取り組み、これをベースにしたOpenSearchやタグクラウド、ブラウザ検索用プラグイン、Plaggerでまとめたfeedのblogへの自動投稿など、OPAC2.0な取り組みをまとめてご紹介。今までの総まとめ的に。

時間は約60分を予定。しかし手元の時計と残りスライドから判断すると足りない。明らかに時間が足りない。昨夜に作ったスライドの分ぐらいは延びている。どう見ても蛇足だった。あああ。でも喋りは止まらない。止められない。ノンストップマシンガントーク。参加された方から、熱心にお聞きいただいている空気が伝わってくる。ありがたいことです。
演台へそっと差し出されるメモ。「あと10分で終わってください。」事務局からタオルが投げられた。
話題を何とか収束させる。やっぱり10分強超過。スタッフの皆様ごめんなさい。

せっかくなので、「現代の図書館」49(2)の林原稿抜き刷りをJLA非会員の方限定で配布。何名かの方は直接取りに来て頂いた。お読みいただいてありがとうございます。ご感想などお寄せいただければ幸いです。

一般講演、写真撮影の後昼食。食券制で事前販売だったので実行委員の方に残りを伺ったら、事務局の分をお譲り頂いた。ありがたきご配慮。
最上階の食堂でNDLの友人と歓談しつつ本場のトルコライスを食す。やっとひといき。

実行委員の皆様、本当にお世話になりました。この場をお借りしてお礼申し上げます。特に川蝉さん、お話できてうれしかったです。
来年のつくば大会では精一杯働かせていただきます。(なぜか実行委員になっているわたくし。)

しかし、本当の悲劇はこの後訪れる。
(まだ続くよ)


第24回 医学情報サービス研究大会(1)

一ヶ月もたってから記事を書く無精ぶり。すみませんすみません。

慢性的ネタ不足とともに降り立つは長崎空港。雨上がりの晴れ模様。暑。
高速バスで市内に入り、いったんホテルにチェックイン。そして会場へ。

今日の会場はオランダ坂の途中。というか急坂の上。坂→(校門)→階段→坂のコンボ。ああ、見晴らしがいいよ。影が濃いよ。まだ夏だ。
ようやく会場の校舎へ。途中で実行委員の方から資料一式を頂く。

もう午後もそれなりの時間なので、ポスターセッションダイジェストとプロダクトレビューを聴講。最近はオンラインジャーナルに加え、電子ブックの紹介が多いように思う。
その後、企業展示などして情報収集。顔見知りの担当の方も多く、「明日の講演、楽しみにしてますよ~。」とプレッシャーをかけられる。Help me。

別室でちょっと休憩。NDL関西館の友人がJLA委託図書を絶賛販売中…ってお客いないよ。気づいたら医図協さんからも含め2冊お買い上げ。「健康・医学情報を市民へ」(奈良岡功[ほか], 医図協)と「公共図書館のための消費者健康情報提供ガイド」(アンドレア・ケニヨン[ほか]著, JLA図書館実践シリーズ 6, JLA)どちらもネタは健康情報。30も半場を越えると気になりますよね。じっと腹部を見るこのごろ。

懇親会は長崎水辺の森公園のレストラン。イタリアン。ピアノ生演奏有り。おしゃれ。さらに「明日の講演、期待してます」とプレッシャー。でも食事はおいしく頂く。

すっかり和やかな雰囲気でお開き、ホテルへ戻る。

ネタだよ。どうしよう。昨日に引き続きWWW::OpenSearchと格闘。なんとか見せられるものができた。ついでに高橋メソッドで説明用スライド追加だGoGo。
(続く)


現代の図書館(45)2

 「図書館退屈男、突貫します!」と東京国際ブックフェアで無駄にGoogleブースに突入してから一ヶ月あまり。

 7~8月は

  • XooNIps研究会ワークショップ(東京、大阪)で事例報告
    (大阪には一週間前に出席要請があり、N700系に初乗車。)
  • 原稿2本執筆+校正1本(1本入稿済み、1本はテープ起こしまで終了)
  • 講演資料等スライド作成4本(2本終了)
  • 第24回医学情報サービス研究大会(8/25-26、長崎、活水女子大学)継続教育コースで講演(当日参加も受け付けていますのでぜひどうぞ。来年はつくばです。)

など詰まり気味充実した夏のスケジュールです。某所でアキバ系呼ばわりされたり、急遽在つくば図書館系blogerのオフ会に参加したりとそこそこ忙しい夏も後半です。オフ会は筑波大生を中心に、いろいろな方にお会いできてとても楽しいひとときでした。またやりたいですね。

 ということで、先月校正した原稿、「現代の図書館」45巻2号が今日届きました。「Web2.0と図書館サービス」ということで国内外の事例を中心に取り上げています。よろしければ残暑しのぎにどうぞ。

 そこで、ツッコミを受ける前に「見所」を紹介しておきます。本文中の図2(p.121)で、AquaBrowerを使用しているQueens LibraryのOPACの検索結果表示を紹介していますが、"Japan"というキーワードで検索すると本当にこんな結果が出ます。別に狙って出したわけではありませんが、ぜひお試しください。Authorとして"> Takahashi, Rumiko (77)"とか"> Clamp (46)"などレコメンドしてくれます。親切なシステムですね。(誰に?)
 今日、再度検索したら蔵書数が増えていました。"踊る大捜査線"は貸借中です。Central Libraryの場所はマンハッタン島の東。ニューヨークを訪れる機会があったら、ぜひ立ち寄りたいスポットですね。