最近の出来事

予算はどこへいった

前回,

定期の処理をこなしてヒト,モノ,カネの流れを押さえればなんとかなると思う.

と書いておきながら予算の話がなかったので追記.

「図書費」として配分を受けた予算枠から外国雑誌や出張旅費,果てはプリンタのトナーといった消耗品まで自分の係のあらゆる費用(ただし光熱費は別)をまかなうことになった.国の時代は旅費と資料費と物品購入は別枠で執行していたので,慣れない.

それはどういうことなのか.

たとえば27インチのディスプレイがほしいと思っても,試験用にサーバ機がほしいと言っても,買ったらその分だけ自分で図書が買えなくなる,ということだ.東京までの出張旅費とトナー代はきっとバーターだ.気づかずに着任早々カラープリンタのトナーと感光体ユニットの契約依頼票出しちゃったぜ.昨年度のうちに補充しろよ.オーマイガー.

しかも引き継ぎメモには「予算は足りなくなる.だが心配するな.部長に頼んで追加の配分を受けろ」(意訳)と書いてある.突然のシビアコンディション.

とりあえず上司を仰ぐ.直近の上司は同じ職場の施設担当課から同じタイミングで異動になった.図書館は素人だが,人事施設予算会計を歴任した「プロの事務屋」だ.ここは頼るしかない.事情を説明すると,確約はできないが調整はする,と請け合ってくれた.

大口の入札が予想より安値だった,冷夏だったり暖冬だった,海外出張が中止になった,当初の予算配分から残額が出ることはよくある.なので半期が終わる頃には再度の予算配分の調整がある(こともある).問題は残額の有無をつかむ相場観と調整能力だ.所全体の予算と執行の流れがつかめないとその相場はつかめない.情報関係部署の経験しかない図書館退屈男にはできない芸当だ.

結局,この年度は別口で追加予算が必要な案件が続けて発生したため,外国雑誌経費の増額は果たせなかったが,上司の嗅覚とバランス感覚には万事助けられた.


ということでカネの問題はどうにかなりそうな目処が立ったが,結局何をすればいいのか.

通常のジョブローテーションなら,現職に留まるのは2~3年程度だ.その間,特に波風立てずに凌ぐかどうするか.

管理職(研究職が併任で来ている)との定例の期首面談では,

「噂は私の前任地(別の研究所)の図書館長から聞いている.情報系ではエースだそうだな」(誰だそれ)
「カネはないが,好きにやってももらってかまわない.責任は持つ」

大丈夫なのか.余計なことを吹き込まれてはいないのか.

好きにさせてもらうにはカネと権限と使えるデータが必要なわけだが,そんなことより図書館退屈男に「好きにしろ」と言ったら本当に好きにするぞ.大丈夫かこの管理職……いや,「ここではたいしたことはできない」ということの裏返しと見るのは考えすぎか(考えすぎ).

では,なにかやりましょうか.


着任したての専門図書館員が取り組むべきこと

2014年4月.着任したての専門図書館員は何をすべきか.

教科書的には

  1. 定期(日次,週次,月次)の処理を把握
  2. 引き継ぎ資料,業務マニュアルを熟読.特に執行可能な予算を把握.
  3. 過去の複写依頼データや購入図書などから利用傾向を把握
  4. 問題点を把握して改善に繋げる
  5. (良好な人間関係を構築)

といったところであろうか.定期の処理をこなしてヒト,モノ,カネの流れを押さえればなんとかなると思う.

「図書館員の専門性」や「図書館は必要か」などのキーワードが頭に浮かぶが,そんなことより目の前の仕事を片付けないと話にならない.

マニュアルを見るより早く,会計担当から「NACSIS-CATの料金相殺結果通知書が届いたので明細データを送れ」と言われたので過去のデータを見ながらそれらしいファイルを作成して送付.調達担当からは購入している新聞と雑誌の契約書類(四半期分)を出せというのでデータを入力して印刷して押印して決裁に回す.

資料の受入や装備,配架,ILLの受付と複写処理は契約職員さんが処理してくれる.常勤職員はILL依頼と書誌データ作成,契約事務のようだ.仕事を指示する立場で何も知らないというわけにも行かないので,マニュアルを借りて業務の流れを把握する.

複写

複写依頼も遠慮会釈なく来る.年600件前後.弊社系他研究所(同じシステムを使っている)で所蔵があればそちらに依頼,なければNACSIS-ILL,BL,あとReprintDeskも使っているようだ.それ以前に,自館で所蔵している雑誌や契約しているオンラインジャーナルの複写依頼が来るのはなぜなんだ.そうか,海外出張中なら致し方ないので処理……と思ったら出発前じゃん自分で複写に来いよどういうことよ.

時間を見つけて経験値の高い隣の係長(ネットワーク担当)に話を聞く.これまでも会議などで見知った先輩なのがありがたい.

ここでは研究者の海外出張は非常に頻繁で,100名ちょっとの研究者のうち1/3ぐらいは入れ替わり立ち替わり海外の共同研究先やフィールドワークに出ている.長期であれば,半年は帰国しない.このため,出発前に文献を入手してゆくことが多いとのこと.リモートアクセスぐらいできるだろうに,と問うと,出張先の回線事情はがよいところばかりではないため思うようには繋がらないらしい.
確かに,5月を過ぎたら依頼件数は大分落ち着いた.

依頼内容を見れば,だいたいの研究テーマや傾向はつかめてくる.同じように更新依頼のあるWebページを見ながら,誰がどこでどんな研究を行っているかがおぼろげながら見えてくるような気がする.まだ俯瞰まではできない.

図書

残念ながら、図書館で図書を購入する予算はほとんどない.したがって選書はない.残念.ひたすらオンラインジャーナルに資金を注いでいる.ただし,所の経費で購入した図書は全て図書館所蔵として管理する.受入後は研究室へ長期貸出扱いとなる.

書店さんは水曜日に納品に見えるのがここのルールのようだ.検品して書誌データと分類,配架記号を付与,あとは契約職員さんが装備と配架を行ってくれる.寄贈資料は随時届く.

書誌は……圧倒的にコピーカタロギング.でなければ,参照MARCどころかWorldCatにあるかないかの諸国の文献を相手にすることとなった.

分類はNDC8版 or 独自分類.10版もあるのに,8版.公共図書館と違い,古い資料でも除籍をあまり行わない都合上,過去の互換を考えると新版の導入に踏み切るのは難しいのだろうか.あるいは決意する頃には異動になってしまい振り出しに戻るのか.考えても仕方がないので8版で付与する.

国際機関,官庁,都道府県や大学の刊行物は発行機関別の独自分類を行い配架する.
配架と配置は時々書架を回って覚えるしかなさそうだ.

やはり社会科学系の研究室で購入図書が多い.すでに別の研究室で購入している図書を新規に購入する例もあるが,出張先へ持ち出すこともあるようなので致し方ないようだ.

ひと

物品購入や休暇その他の決裁ルートは覚えるしかない.先に触れたように,主たる利用者である研究者の基本的な行動パターンを早くに把握できたのはありがたかった.

来館者はほとんどない.図書館は別棟で離れているせいもあるが,人は来ない.したがってレファレンスもない.

まれに来館者があり,貸出の方法などを聞かれたついでに勇気を出して聞いてみた.

「あの,オンラインジャーナルを海外から使う方法とかのセミナーとかって,去年はありました?」
「え!?そんなことできるんですか?早く言ってください!」

どういうことなのか.

Webにはリモートアクセスの手順書は確かあったが……読まれてない……きっと読まれてない……もしや図書館の利用方法そのものが知られてない…….

まとめ

ということで,「図書館のサービスが知られていない」事実が明らかになった.自分がしたいことを見つける前に,えらく大きな課題を見つけてしまい,途方に暮れたのは2014年の6月ぐらいだったような気がする.

 


図書館退屈男の近年の情勢について

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図書館システムの調達と構築に疲れ果てた図書館退屈男の異動先は,小さな研究所図書室だった.

 2014年4月,20余年を過ごしたセンター館から国立研究開発法人に採用.弊社系研究機関職員にはありがちなジョブローテーションの一環で「出向」に近いが,いつ戻るとかどこに戻るとかの予定も計画も何もなく.

 組織規程によるところの図書館担当科(課じゃないんです)の業務は以下3つ.

(1) 所内ネットワークの運用・管理に関すること。
(2) 公式ホームページのセキュリティ及び運用管理に関すること。
(3) 前各号に掲げるもののほか、図書、情報及びネットワークに関すること。

 図書館退屈男の係はこのうち(2)と(3)の「図書」が担当.図書館業務は「前各号に掲げるもののほか,図書」,とまあ随分と軽く見られている.設置法には「農林水産業に関する内外の資料の収集、整理及び提供」とあるが,そいつは図書館の仕事ではないのかもしれない.

 前前任者とその前の担当者は諸事情により中途退職,このため専任担当者不在の期間が長かったからこんな扱いなのかどうなのか.前任者は相当な苦労があったことは想像に難しくはない.

 公式ホームページの更新は着任翌日から来る.CMSは未導入,Adobe DreamWeaverで手書きしてアップロードして更新.サイトの構成が全くわからないので途方に暮れつつ,作業する.

 引き継ぎのメモには「Namazuの更新処理が重いので要対処」とある.Namazu……あの一世を風靡した全文検索システムがここではまだ使われていた.図書館退屈男も昔はお世話になった.

 何を隠そう,弊社系研究機関のサーバにCERN httpd(当時)を仕込みHTMLの書き方をトレーニングし「ホームページで情報発信」の下地を作ったのは図書館退屈男とその上司である.たぶん20年ぐらい前の話になる.サイト内検索にNamazuを仕込んだのも図書館退屈男である.弊社系のWebサーバで運用しているのはもうここだけだろう.最期を看取ることもまた責任か.チェックしたところインデックスファイルが肥大化していたので,gcnmzを走らせてガベージコレクション.インデックスのサイズがきわめて小さくなり,cronで更新処理を実行しても負荷は減少したのでよいことにする.これは後でGoogleカスタム検索に置き換えた.

 引き継ぎメモの別紙には,各種の申し込みフォーム用のCGIのソースとおぼしき文字列があった.

#!/usr/local/bin/perl
#
# hogehoge CGI
# 

require "jcode.pl";

 ファイルの最終更新日は2004年だった.ソースを追うと,セキュリティ的にダメな予感しかしない.すぐに汎用のメール送信サービスの利用の切り替えを上申することにした.なお,当該プログラムはWebアプリケーション脆弱検査の結果「要改修」との判定が後日下る.WAFがあってよかった.

 そんなこんなで「公式ホームページのセキュリティ及び運用管理」については,給料分の仕事量はありそうである.

 問題は図書館業務である.例によって予算は少ない.契約職員の賃金と外国雑誌(冊子体は全廃されていた)契約でサイフは空になる.

 この研究所で何ができるのか.まずはユーザーニーズ,いやユーザーそのものをつかむことから始めることにしよう.


 すごーく,更新間隔が開いてしまいましたが,落ち着いたので1年前の記憶をさかのぼってblogを再開してみました.

 職場も変わったので,ここから第四シーズン,ということで.なお,まだ大学院は出られていません…….

 


PSPがDNSを引かなくなる件について

今日は「セカンダリDNSは伊達じゃない」話。

画質に惹かれて新型PSPを発売日に買いました。初代のPSP-1000も家にはあるのですが、画質が!明るい!きれい!なので満足です。しかも軽い!薄い! でも作りは初代のほうがきれいかなあ。

まずはPlayStation Storeにサインアップ。「まいにちいっしょ」を早速ダウンロード。目当ては今までPS3(持ってない)でしか配信されていなかった「トロ・ステーション」!
ああ、これでトロとクロの掛け合いが視られるよ。なんて心なごむコンテンツだろう。

いそいそとシステムソフトウェアをver5.0、そして5.01にアップデート。Skypeもあるので電話もできるよ(チャットはない)。すごいぜPSP。

そして週末。「トロ・ステーション」は毎日更新なので欠かさずダウンロード…あれ、エラーだって。

接続エラーが発生しました。
(805F0005)

それなに。何のエラーなの。エラーコードだけじゃ障害の切り分けもできないよ。
無線LANのアクセスポイントには接続できているものの、サインアップで失敗した模様。同一設定のPSP-1000も接続できず。個体の問題ではなさそう。そもそもパケットはサーバに届いているのかいないのか。

DHCPサーバというかルータのログを確認。IPアドレスは正常に割り当てられている。
”805F0005”でgoogleに聞いてみても、いまひとつ。

再度ネットワーク設定をやりおしてみた。IPアドレスもDNSサーバも取得できているのに、接続に失敗。
またアップデートでもあったのか。ネットワークアップデートを試行。

サーバとの接続に失敗しました。
DNSエラーです。
(80410410)

ええええええ。DNSサーバはルータのアドレスになっているのに…なぜホスト名を引けない。
今度はインターネットブラウザにIPアドレス直打ちでgoogleに接続。これはうまくいった。http://www.google.com/ はエラー。なら悪いのはDNSだ。でもなぜ。

ルータにtelnetでログイン。これだからヤマハ製ルータはやめられない。DHCPの設定には特段DNSの設定はない。WAN側にプロバイダからDHCPでIPアドレスが割り当てられた時のDNSを使っている模様。ならプロバイダ側のDNSサーバを使うのみ。
ちょこちょことコマンドを叩く。コマンドが良くわからないけどとりあえず show ? だ。hackhackhack。…プロバイダのDNSサーバ判明。これだ。

今度はPSPのネットワーク設定で、手動でIPアドレスを割り当て、プライマリDNSはルータに、セカンダリDNSにWAN側DNSサーバを設定。

どうだろう…おお、接続できた!
2日分の「トロ・ステーション」をダウンロード。いやされた~。

さて原因はなんでだろう。うちのルータが悪いのか。応答が遅いのか。でも無線で接続している他の2つのPCは正常に接続できているので、何かPSPの無線LAN設定にはコツがあるのだろうか。

その後。プライマリDNSでも接続できることがある。なんでか不安定。SONYに言っても、「それは相性」とかで片付けられそうな気がするので、とりあえずこれで放置しよう。


その他のPSPの使途。

LocationFree LF-PK1撮り貯めた番組とかDVD視聴。UMD VideoのMS Iglooその他動画を見たり、MACROSS ACE FRONTIER(ゲームはこれと「どこでもいっしょ」「talkman」しかない。)でINFORMATION HIGHをBGMにYF-21を駆ってみたり。やっぱPlusだよね。FはまだDVD2巻と最終話しか見てない。


来月の予告。

11月13日(木)~14日(金)のINFOPRO2008でリンクリゾルバネタで発表します。出番は14日のA会場、14:00-15:25のセッションA2です。

図書館総合展にも行きます。自社ブースのほか、11月27日(木)第6会場10:30-12:00のフォーラム、「もうOPACなんていらない!? -Google時代の文献検索と目録サービス-(仮題)」でNIIの高野先生とパネラーです。緊張です。
28日(金)は第2回ARGカフェでライトニングトークです。いつものマシンガントークを5~10分できれいに収められるかが見所だと思います。


図書館退屈男だってミュージカルを見る。名古屋でだけど。

気がついたら家内で共有しているgoogle calenderに名古屋行きの予定が入れられていた。

そういえば、半眠り状態で「名古屋公演に行くから新幹線と宿とるよ~」という連れ合いの声を聞きながら、「時間はそれでOK」「帰り…普通席いっぱい…OK…G車でいいよ…zzzz」とか無責任に答えた記憶が。

土曜日。午後発の新幹線に乗り込み、駅弁を食しながら2日間の行動についてのブリーフィング。要点は、

  • 今夜は「ひつまぶし」を食べる
  • 明日は昼公演なのでよろしく
  • 味噌煮込み食べたい

食べてばかりだ。個人的には台湾ラーメンも食べたい。

のぞみは西へ。続いて、日曜日に観劇するミュージカルの演目についてのレクを受ける。まとめると、「皇后を殺めたテロリストの狂言回しにより進行」「黄泉の国の王が名家の娘に魅入られる」「黄泉の王の幾多の誘惑(=死)に耐え我が道を行く皇后」「やがて皇后の死により結ばれる」というお話だそうだ。冥界の王。黄泉の国。魔王? テロリスト? 既視感。この感覚は。(D…) そうこうしているうちに名古屋に到着。

かの名曲「名古屋はええよ!やっとかめ」にも歌われるユニモール→地下鉄→サカエチカを抜けてホテルにチェックイン。
松坂屋に移動。目指すはひつまぶし。17:30。夕食にはちと早い。しかし食欲をそそるタレの香りと最後尾札。誘導に従い最後尾に就くと、他の客が店員に尋ねる声が耳に入った。「どのくらい待ちます?」「えーと、この位置だと1時間半ぐらいですかねえ。」ひつまぶしに90分待ち。名古屋は食のテーマパーク。この程度の待ち時間など当たり前なのか。
予想より早く、60分ぐらいで店内へ。当然ひつまぶしをオーダー。程なく出てくるうなぎが美味。

日曜日。劇場へ。ポスターを写真に収める連れ合い。そういえば、前提知識ゼロの状態で、彼の扮装を「何この解散直後のビジュアル系ロックバンドの人」と言って連れ合いの失笑(いや、怒りに近い)を買ったことを思い出す。黄泉の王が…ボーカル…?…??。(DM…) 自分の妄想とは無関係に開演時間は近づく。連れ合いに手を引かれて場内へ。2階席最前列。舞台全体がよく見渡せる。

幕が上がる。ミュージカルを観劇するのは3回目。だんだんこの雰囲気に慣れてきたように思う。連れ合いはオペラグラスで彼に釘付けだ。

思いもよらず欧州の王家に嫁ぐことになった奔放な性格のヒロイン。皇太后…義母との確執。窮屈な宮廷生活。個人よりもなによりも「義務」が優先される王家。ようやく恵まれた子も義母に奪われる。皇太子となる男子も教育と称して容赦なく義母は奪う。母に会うことも許されない幼い皇太子に忍び寄る黄泉の王。「僕は友達だよ。」甘言を弄して近づくが、背中に向けるは刃。所詮は皇后を手に入れるための道具なのか。

「義務」を遂行するために謀略を図る皇太后。その罠に落ち不貞を働く皇帝。それを黄泉の王より知らされる皇后の心はもはや宮廷にあらず。行く着く宛ない流浪の旅へ。皇帝と皇太后の間に生まれる亀裂。一度の不貞が生んだ悲劇。もはや自らには帰らぬ皇后の心。息子に背かれた皇太后は失意のうちに他界。

成長した皇太子は皇帝である父と対立、反体制運動に加わるも摘発され投獄。宮廷を離れ放浪の旅を続けていた皇后からも見放される。そこへ再び現れる黄泉の王。皇太子にそっとピストルを渡す。その銃口は自らのこめかみに。
悲嘆に暮れる皇后。疲れ果て、黄泉の王の元へ下ることを決意する。

湖畔でボートを待つ皇后。近づくテロリスト。哀れ皇后は無政府主義者の手に係り、暗殺。彼女の魂は黄泉へ。そこに待つのは幸せなのか。王の手で棺桶に導かれ眠りにつく王妃。

幕。喝采。繰り返されるカーテンコール。

ふと、ある歌詞が浮かぶ。

俺には友達恋人いねぇ
それは俺が殺したから

SATSUGAI!」(DM…C!) ばらばらのパズルがかみ合った。この男、黄泉の王こそが魔界の王、クラウザーさんだったのか! そう考えればストーリーのすべてに納得が行く! 欧州を牛耳る王家でさえ自在に操り手玉に取っていたとは…恐るべしクラウザーさん…。 歴史を陰で操っていたのはクラウザーさんだったんだ!

…という自らの非の打ち所のない完璧な妄想を連れ合いに話したが、あきれられ無視されるのみだった。

夕刻の上り新幹線。満席。隣合せの席は取れなかった。連れ合いとは離れた席で身を休める。その空気はただ重かった。


多忙という闇を抜けて

「このblogは月一連載ですか?」と聞かれても仕方がない図書館退屈男です。書籍化なんて絶対に無理です。

次期(2009年3月稼動開始)の図書館システム等一式の調達の官報公示が今月初めにあり、それに向けて6月は仕様書の確定と総合評価基準の作成に追われ、先日入札説明会を無事終えて一区切り付きました。誰も止めなかったのでOPACの仕様は今までの知見と野望のすべてを投入し全身全霊をこめて書いていますが、予算との戦いの結果レコメンドだとかその手のナウい機能は載っていません。

この間、医学図書館55(2)に解説記事が載りました。情報の科学と技術58(5)と併せて、よろしければご笑読ください。

そうだよ大学にも行っていないし、論文も書けてないし、それでもINFOPRO2008の発表は受けてしまうしで気ばかりあせる夏の入り口ですが、明日からの第25回医学情報サービス研究大会に備えて今日は早寝することにします。2日目の参加者企画「医学系レファレンスの集い」で10分ほど喋りますので、お近くの方、特に大学図書館職員長期研修とかでつくばのけだるい休日をもてあましていらっしゃる方はぜひお越しください。春日キャンパス講堂が受付です。当日参加も受け付けております。(宣伝)


「土曜日はARGカフェに行く自分は勝ち組」という方もいらっしゃるかもしれませんが、会場で麦茶を見たら図書館退屈男のことも思い出してください。(謎)


changeclass - referencerからcatalogerへ

4月1日。朝9時。一枚の辞令。そして今日から目録(と図書館システム)の主担当になった自分。

PCと、5年の間にたまった書類を台車に積み、住み慣れたレファレンスカウンターを後にし事務室へ。「ナメクジの購入先」やら「タニシの養殖」といったレファレンスも懐かしい。

入荷した資料は待ってはくれない。書誌と所蔵をつけよう。誰が呼んだかcopy cataloging。当方では研究報告やら研究所の独自出版物など灰色資料の山。ここで作らなければ誰が作る。他の研究所で作成した書誌でも一応チェックしながら所蔵をつける。巻冊次で処理している年報類に間違えて子書誌のレコードをつけてしまったのは秘密だ。

そう、図書館退屈男、真剣に目録と対峙するのは就職以来初めてなのだ! 15年目にして走る衝撃!
(NACSIS-CAT対応の図書入力の研修は筑波大で受けたけどそれは10年前。)

引継で課せられた任務は、研究所間で共同構築している総合目録の品質管理と図書館システムのリプレースに向けた仕様策定、現行システムの運用。もちろん自館の目録作成も。OPACならともかく、業務系システムを実際に使いつつバグフィックスなどの面倒まで見るとは。なにこの業務の多さ。叫びたくなる。

Catalog...Catalog make me crazy...crazy! Catalog...NACSIS change everything!
......I've got nothing...nothing to loose. 
…いや、だからさ、あるから。失うもの。いろいろ。

目録について真剣に取り組むのもきっと悪くない。APIの公開は軌道に乗った。PORTAからも利用できるようになった。次は中身の充実だ。どんなに遠くてもたどり着いてみせる。

ということで、今年度はNIIに何度も研修に伺わせていくことになるかと思いますので、関係各位には何卒よろしくお取り計らいいただきたくお願い申し上げます。


果てしない引継ぎを終え、帰宅の途に。地元の大型書店を出て握り締めるは「ON THE ROAD 2005-2007“My First Love”(初回生産限定盤)」。2006-2007のツアーに参加できなかった図書館退屈男にもたらされるわずかな至福のとき。

入学…いや入院まであと一週間。筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程に通うことになりました。何も知らない新参者ですがどうか、どうかよろしくお願いします。

なので今日からこのblogもThird season。


オリコン2位の曲にまつわる悲劇とその後

 Amazonのレビューから。

★★★★☆ 元気になれる曲、でも…, (2007/6/10)
いいね、このノリ!テンションあがる曲、これ聴いてると楽しい気分になるネ。渋滞とかにピッタリ!でもこれ聴いてて事故ったら恥ずかしいだろうなぁ…

このレビューは参考になりましたか? [はい] [いいえ]

 そのCDを発売日前日にgetして翌日の出勤中に車内で聞いていたら、渋滞で停止中にものの見事に追突された図書館退屈男ですが。

 すごく参考になりましたよ。レビュー。その通りにならないように、下車するときにはオーディオはOFFにしましたが何か。

 明日の出勤時にはリベンジでこのCDをかけます。←結論。


 6月にお会いした方には大変ご心配をおかけしましたが、車両については本日板金修理が終わり納車されました。きれいに直っていてほっとしました。

 身体の方は、また通院中ですが首輪(商品名ポリネック)は外すことができました。おかげさまで首の回らない生活からは脱却できました。

 雨の季節が続きます。皆様も事故などお会いにならないよう、交通安全を祈願する次第です。


2007年。

松の内も過ぎてしまったのですが、新しい年になりました。

先週は仕事始め+1日と半端だったせいか、いまひとつ休みな気分が抜けませんでしたが、明日から本格始動というところです。

当面は対外的な講演も原稿もないので、ネタの仕込など充電に勤めたいと思います。

では、今年もよろしくお願いします。


「狂犬病発症」の報に接し

 帰宅後、いつものように自宅でRSSリーダをチェック。

 するとasahi.comで「京都市の男性が狂犬病発症 国外での感染は70年以来 [暮らし] (2006-11-16 21:24)」との報が。Googleニュースで検索したところ、いくつかの新聞等でも報じられている。

 …出番だ。弊社の国内農学文献を収載したデータベースを検索。キーワード「狂犬病」で21件ヒット。タイトルでは64件のヒット。なぜこんなに違うのか。どうも、上位概念である「ウイルス」でインデックスを付与されているレコードもあるようだ。

 とりあえず多い方を採用することとする。早速、ダウンロードした検索結果動物衛生研究所動物検疫所のWebサイトにある関連情報を弊社webサイト図書館総合展案内Blogに掲載。弊社の来館者数は多くはないので、「関連する資料を別置して展示」では効果は薄い。まずはデータベースの検索結果とそこからの論文へのリンク(一部論文はPDFでDBに搭載)を公表することで何かの役に立てるかもしれない。1918~1935年の獣疫調査所研究報告など古い論文(PDFあります)も散見される。本当は検索結果から大学等のリポジトリへOpenURL等を使いリンクリゾルバ経由で飛ばせればよいのだが、少々古めのシステムのためそれも望めず。いずれ改善しよう。

 果たして、こうした情報をいち早く公開することに効果があるのか。こういう場合こそ、Blog+RSSでの情報公開はタイムリーに情報を届けるツールとしての効果が出そうだ。今回はその当りも見極めたいと思う。


 当然ながら、今回は独断で動いたため上司の許可は取っていない。明日の朝一で説明しなければ。