図書館

そうだ、京都、行かなきゃ。

 夏も終わりだというのに、背景を変えてみました。シロクマ最高。でも、シロクマさんがビーチボールと戯れているここは、人間用のプールでしょうか。はしごのようなものもあるし。ちょっと怖。

 で、9月になりました。このblogもcybozu.net時代から数えて一年がたちました。エントリ数は週に一度にも届きませんが、読者が確実にいらっしゃることはわかったので続けてゆきたいと思います。

 9月…そうだ、京都、行かなきゃ。京都大学数理解析研究所。RIMS研究集会「紀要の電子化と周辺の話題」。6日にちょっと話します。ホテルは取ったけど新幹線はまだだ。どうせなら500系乗りたいな。お声をかけていただいたときには、場所が「数」「理」「解析」などとうちの専門分野とは程遠い所なので不安だったのですが、他の演題を拝見し近いところと判断。安心して講演に臨むことにします。


 うちの本店サイトではPodcastで研究成果のビデオ配信を開始したのですが、某有名サイトで取り上げられたところ転送量ベースでトラフィックが数十倍に跳ね上がったそうです。動画ゆえとはいえ、インパクトはありますね。

で、

 「好きな人が中にいるんだろうなあ部門」

になっていますが、本店もこちらも、そんなこと大好きなこのblogを書いているような人ばっかりじゃありませんからぁ!(担当者はきっとそうだけど。)


Internet Explorer7用OPAC検索プラグイン

 さすがにこの時期は通勤路の車も出勤する人も少なくなる。文献複写依頼も平常の1/3ぐらい。でも来館者は通常通り。みんな休もうよ。

 こうなるとまとまった空き時間ができるので、日頃できない作業にいそしめる。いそいそ。

 そんな夏の午後の成果はInternet Explorer7用OPAC検索プラグイン。 「IE7はOpenSearch対応」という記事をどこかで見かけたので、これを試すことにした。 OpenSearch Descritionに準拠したデータベース定義が書かれたXMLファイルは以前より準備済みだったので、これに少々手を加えてIE7での表示専用にチューニング。RSS2.0で検索結果を返す定義ファイルを図書(キーワード、タイトル、著者名)と雑誌の検索、またRSSで配信しているWebの更新情報の検索用と合わせて5つほど用意した。先のリンクに導入方法も記載されているので参照されたい。
 検索を試してみる。a9.comのインターフェースを使用した時と異なるのは、検索結果の表示の際 {count} で指定されているパラメータの数の件数しか表示しない点。

  • インクリメンタルに絞込み検索を実行
  • 画面上のデータをタイトルなどでさくっとソート

などの機能は便利で使い出があるが、それは今ウインドウに表示されているデータが対象。そして検索結果が100件越えでも「>>次の10件」のように続きを見せてくれるリンクはない。仕方がないので、デフォルトの表示件数を最大100件にした次第。それでも、ソートなどを含めてストレスない範囲で動作してくれる。
 
 このblogのフィードを登録してみたりなどして検証してみたが、同じように「+このフィードを購読する」というリンクがウインドウ内にあるところを見ると、RSSで返された先の検索結果は「煩雑に更新されるコンテンツを含むフィード」としてblogの新着情報を伝えるRSSなど同等に取り扱われているようだ。
 確かにいきなり100件ものitemを返すフィードなんてめったにないから、とりあえず配信される数件~数十件のフィードを捌ければOKなのだろう。だから「>>次の10件」のリンクは必要ないけれども、RSSリーダとして考えれば、

  • キーワードのほかカテゴリでの絞り込み検索
  • 作成者、日付、タイトルでのソート機能

は必須というかちょっと先進的かもしれない。検索式をフィードとして登録すれば、興味ある新着図書のアラートとして機能してくれるだろう。とはいえ、大量のデータを扱うデータベースのフロントエンドインターフェースにするには向かないのかなあ。それとも正式版でなんとかしてもらえるものなのか。

 そういえば、このインターフェースで検索先をGoogleに指定して検索すると、表示されるのは見慣れたいつものGoogleの検索結果の画面。他のベンダはどうなっているのだろう。検索するとRSSリーダな画面ではなく、通常のWeb検索と同じだなあ。
 さっそくXMLファイルを取ってきた。

 <?xml version="1.0" encoding="UTF-8" ?> 
   <OpenSearchDescription xmlns="http://a9.com/-/spec/opensearch/1.1/">
   <ShortName>hoge Wikipedia (hogehoge)</ShortName>
   <Description>hoge Wikipedia (hogehoge)</Description>
   <Url type="text/html" template="http://wikipedia.search.hoga.jp/searchlist.html?MT={searchTerms}&IE=UTF-8&OE=EUC-JP&kind=epedia" />
  </OpenSearchDescription>

  …確かにOpenSearchDescriptionを利用しているのだけれども、ちょっと違うような。確かShortNameは16文字以下だったような。でもmustな要素は満たしているなあ。多少のことは目をつぶろう。
 さらに、http://opensearch.a9.com/spec/1.1/response/ によれば、

OpenSearch™ Response elements are used to add search data to existing XML-based syndication formats, such as RSS 2.0 and Atom 1.0....

 とXMLベースのRSS2.0とかAtom1.0が推奨されているのに普通のHTMLが返っている。XMLで結果を返す必要がなければ、データベース名とクエリパラメータの定義をXMLで記述するだけだからIE7対応検索プロバイダの作成は簡単そう。でもいいのかなあ。syndicationしやすいフォーマットとしてRSS推奨みたいだし。またしても自分の勉強不足なのか。うーん。


土曜の夜と日曜の朝

 朝7:30。沈んだ心で起きる。金曜日から通常勤務に復帰。復命書を提出した後、北大出張の概要を課内のメーリングリストで報告。溜まった仕事をクリアした後は日曜日の大図研発表のための仕込み。ネタの一つとして、昨年作って半ば放置していたAJAXライクなインクリメンタルサーチインターフェースを引っ張り出す。もっともXMLHttpRequestによるデータの取得は一回で、そのデータ上でサーチを繰り返すので非同期とは呼べない微妙さ。
 その他いくつかのネタを仕込んで金曜は帰宅、火曜に見損ねたサラリーマンNEO[再]を見て就寝。

 土曜日。大図研大会のページに「討議資料」があったのでプリントアウト。熟読。なんだか組合の活動方針案のようだけれども、大学図書館を取り巻く状況についての分析が簡潔にまとめられている。さらに読み進む。「Web2.0」という項目を発見。さすがに図書館でもこの方面も無視できなくなってきた、ということだろうと思い読むと、あれ、「OPAC2.0」とか書いてある。No、さらに例の情報管理の原稿やこのblogへのリンクが! 冷や汗が背中を伝う。
 ということは、明日の参加者はこの資料について討議した上で分科会に参加するということで、もう後には引けない。もしかするとこのblogを読んで突っ込みどころを吟味しているかもしれない(妄想)。再度、発表資料とデモ用ネタをチェック。そして模型作りで現実逃避。なんとなくYMS-15の原形を見るような造形がとかそんなことを考えている場合ではなく、頭の中で想定問答を組み上げて就寝。

 日曜日がやってきた。Dance with you.
 
 昼前に会場着。12:00からはラウンドテーブル「図書館システム」。昼食をとりつつ前哨戦というところか。でも参加者的には休憩がほとんどないんだな、この大会。初参加だけに勝手がわからないアウェー感。スパルタンだ。
 ここでは、各図書館システムベンダ間であまり機能の相違がない点、また改修要望を上げてゆく場の有無(有ってもなかなか要望が通らない等の意見も)などが議論となった。最後には、現在の仕様書を捨てて業務モデルも含めて再設計するくらいでないとよいシステムはできないのでは、という意見も出た。

 14:00から分科会「図書館システム」。まず慶應大メディアセンターの佐藤氏の報告。海外の図書館システムについてはほとんど無知だったので、勉強させていただいた。先端的な要素よりも、むしろ学内他システムとの統合認証など当然あるべき機能の実装と提供に重心が置かれている印象。

 そして自分の発表。OPAC2.0。つかみで用意した「猫=Web2.0」は多少笑いが取れたものの、この場とは少しベクトルが違った感じ。ひるまず進める。そしてデモ。さすがにデモはインパクトがあったようで、もっとデモ中心でもよかったかと反省。発表後、佐藤さんからデモで使ったTagCloud生成のソースを要望される。かなりのインパクトとインスピレーションがあったという。あれは隣の課の後輩が作った強化版なので、一旦職場に戻って彼の意思と状況を確認してから改めてお返事することとする。

 続いてディスカッション。
 「『こんなOPACにしたい!』という熱い思いを!」ということで以下のような意見と討論で盛り上がった。

  • 図書館は様々なデータを抱えている。これを開放してほしい。
  • この発表でOPAC2.0の実例を見られたのではないか。見たことのない物を作るのは困難。
  • OPAC2.0も実装は簡易だがその先を考える必要がある。今ある図書館の新着案内からRSSを生成するスクリプトを考えている。これらをゲリラ的に提供した後で、「便利だ」ということを広め、そして必要性を訴えるのでよいのでは。また、作った次の段階として、使って評価してくれる人も必要。
  • OPAC2.0という言葉はインパクトがあるが、公共財としてのデータ提供だけのものではないと思う。もっと議論し、必要な仕様を考えてみてはどうか。
  • 自作のシステムもよいが、自分で勉強してやってみよう意欲の反面、異動した後の運用体制をを考えるとしり込みする。
    パッケージベンダーをうまく使うことが日本の環境に合っている。
    「次のために」どんな機能が必要か、それを考えてベンダに提案してゆく。
  • いままではNACSIS-CATもNIIがベンダを引っ張ってきたが、この場のような図書館コミュニティからもベンダに提案してゆき、新機能を実装して育ててゆくことが必要。

 OPAC2.0も、新しいコンセプトとして認知された一方、より一層の実践と概念の整理が求められた。また宿題が。

 終演後、司会、コメンテータ、発表者など数人で軽く打ち上げ。ビールおいしいよビール。疲れが出たのか途中眠ってしまい記憶がないのですが。参加された各位には失礼をいたしました。
 さらに場所を移して2次会でも歓談。ネットニュースや昔のPC(apple][とか)の話題で盛り上がるのはなぜだろう。

 遅くまで盛り上がった一日だったが、はじめは自分の思いつきから出たコンセプトである「OPAC2.0」という新しいサービスを支持してくれる方の存在を、心からありがたく思った。今後も研究会など何らかの形で協同していただけそうな機運の盛り上がりが感じられた。まずはゲリラ的ではあるがRSS配信の実践と普及に取り組むことになるだろう。
 
 ツアー、というか発表の機会はあと2回、9月5,6日の京大数理解析研究所研究集会「紀要の電子化と周辺の話題」と10月11日の専門図書館関西地区協議会イブニングセミナーを残すのみとなったが、しばらく間ができたのでちょっと休もう。そしてネタを仕込むのだ。


演奏旅行

 別に楽器を持って出張しているわけではないが、こう出張と発表、報告などが続くとそんな気分にもなってくる。Midnight Bluetrainでの移動でないだけマシか。それはそれで旅情があるが、熟睡できず翌朝に響くという罠。

 そして札幌は北大での意見交換会に出席。メンバーは北大附属図書館のほか、慶應大、名古屋大、京都大、広島大、千葉大、NII、早稲田大ほかと多彩。北大からは他に科学技術コミュニケーター育成ユニットからも参加が。
 話題提供として、弊社ポータルとリポジトリへの展開のほか、慶應大や北大でのリポジトリ構築事例など。

 特に北大スタッフは噂どおりの活躍ぶりで、「先生方にとって飛び切りの著作を間違いなくすくいとること」を唯一の方針とし、Web of Scienceで著者が北大所属の論文を検索し、発見するとスタッフが当該研究室までリポジトリ収載の依頼に飛ぶという。リポジトリ構築に向ける熱意を感じる。また、リポジトリに登録された自分の論文のアクセス件数も個別に通知しており、概ね半数の研究者から好評を得ているという。やはり「自分の論文が見られている」ことが数値化され把握できるのがよい、ということなのか。励みにはなるだろう。
 北大の機関リポジトリHUSCAPの研究者からの評価としては、

  • 図書館が動き始めたという印象がある。
  • 大学の活動に誰でも自由にアクセスできるショウケースとして、共感し協力。

 などの声があるという。立派な活動の成果。個人的には、「図書館が動き始めた」という言葉は、単なる待ち受け型の研究支援部門の一つから、アクティブな機関に変貌しつつある図書館を表しているものだと感じた。弊社もそう言われるような活動ができる組織でありたい。

 慶應大からは、90年代の電子図書館の反省として

  • 図書館へスキルと組織を残せなかった
  • 電子データの保存に真剣に取り組めなかった
  • マネージメントしかしてこなかった
  • データ作成単価を下げることによる問題

が上げられた。その上で、リポジトリに対しては紙とは異なった保存の手法の必要性や、研究者は研究者の責任で発表するようになってきている中での図書館の立場、などについて報告がなされた。

 続いてのディスカッションでは

  • リポジトリを構築するのは誰? 図書館? 研究コミュニティである学会?
  • リポジトリに何を入れるのか? 紀要のみ?
    サブジェクトを明確にするなど、方向性がないと「ゴミ箱」に。
  • 成果の提出先として「図書館」という位置づけがない。
    学会、紀要などに出すというビジネスモデルが定着している現状では、研究者の理解は少ない。
  • デジタル化資料の同一性の保障と長期保存に誰が責を取るのか。

などについて議論があった。結論は出なかったものの、実際に運用して行く中で顕在化するであろう問題点でもあり、これからリポジトリ構築に係る弊社でも検討すべき課題といえる。

 夕方からは懇親会。科学技術コミュニケーター育成ユニットの方に詳しいお話を伺う。科学技術をわかりやすく解説し、市民に伝えてゆく人材育成のための講習と実習を一年かけて行うという。こちらも、日々のレファレンスの中では研究成果についての問い合わせもあり、質問者の立場によっても異なるが可能な限り平易な資料で回答を行ったり、当該研究所の研究者の力を借りることがある。このことに触れると、「それこそまさに科学技術コミュニケーターの仕事」とのこと。不意を突かれた感じだが、確かにその通り。講習会を受けてみようかな。

 また、以前大学から弊社に図書館実習に来ていた学生が今年から大学図書館に職を得、リポジトリ担当となってこの場に居合わせていた。無事就職できたことを祝う一方、初年からこのような場に出張し情報収集や人的コミュニケーションができることがちょっと羨ましい。

 2次会でこの日の顔ぶれについて聞くと、ほとんどがNIIが機関リポジトリ構築の試験段階で行った合宿指導の参加者という。つまりは先駆者の集まり。そんな場に加われた幸運に感謝。
 
 翌日はホテルで休養の後、大通公園などを散歩しつつ帰路へ。札幌は暑かった。

 そしてツアーは続く。次は日曜日のさいたま講演(大図研大会)に望む。


旅立ちの朝

 ということで羽田空港第1ターミナル17番ゲート前。
先日の一橋に続き北大での講演に臨みます。

 日曜日のさいたま講演用のスライドは社内クリアの上主催者に提出済み。受理していただいたご担当の方から「こういうのが読みたかったのです。」とお褒めの言葉を頂きちょっとうれしい朝のひととき。

 一橋では弊社のポータルサイトで提供しているデータベースサービスの概要説明のほか、RSS関連の取り組みを少々講演。(さいたま講演はRSSというかOPAC2.0メイン。)

「新技術の導入によりユーザ(=研究者)の情報収集にどうインパクトがあったのか?」

という質問に走る緊張。去年のINFOPRO2005から言われていたことだ。RSSによるサービスは、試行を含めて約3年。その間の取り組みも含め、そろそろ評価をすべきではないか、また技術先行でユーザを置き去りにしていないか。何かの機会にサービスとしての評価が下されるべきと考える。ああ、宿題ばかりが増えてゆく。いずれにせよ、今日の北大での講演も含め、機会をとらえて声を聞いてゆこう。

 今日は弊社ポータルの話題提供+リポジトリがらみ。現在の弊社の烏合の衆のような研究報告類のPDFファイル群をどう再組織し、ネットワーク上の流通ルートに載せてゆくか。そのあたりが当方の話題になるのだろうか。幸い、北大附属図書館のHUSCAPという先行事例のお話しが聞けるチャンス。有効なディスカッションを期待。

 今日の札幌は雨のよう。傘買わなきゃ。


On the road 2006 "Road to the OPAC2.0"

 いよいよ11月の図書館総合展まで足かけ5ヶ月に渡るツアー(講演ともいう)が始まった。自分の中では On the road 2006 "Road to the OPAC2.0" といったところか。
昨日のセットリストは、

  1. I am a father
  2. 星の指輪
  3. MONEY

…違う違う、それは昨日3000円で飲み放題食べ放題のビアガーデンに行った後、カラオケで歌った曲だ。

 ということで、月曜日は恵比寿でメールマガジンとRSSを使った図書館からの情報発信手法について講義をしてきました。メールマガジンは発行経験がないので実施している研究所の後輩に現状を聞いたほか(感謝!)、RSSでのマーケティング本でメルマガにも言及があった書籍から引用してスライドを作成。
 話を聞いてみると、「ネタ切れで続かない」「担当者が代わると継続性が」とよく聞こえる、そういえばうちの館でも同じ理由で頓挫したような。主宰者からは、「外に目を向けてネタを集めろ。」と激をとばされましたが、全くその通り。あちこち見て歩いてネタを集めて、利用者とのコミュニケーションツールに育てていかないと行けなかったのだなあ。今ならblogで代替、という案もありそうだけれども、自分とまとめてみてメールマガジンの良さを再確認した講義でした。

 次ネタはRSS。後で受講生からは、「最初にどのようなサービスが構築できるかを聞いてから、XMLやRSSのテクニカルな話を聞いた方がイメージがつかみやすい。」「実習の時間が足りない。」とのご指摘を頂く。どうしても技術先行でそこから話を持って行ってしまうのですが、やはり実践例を示した方がイメージもできて良いのですね。個人的に残念なのは、ここでRSSの有用性を訴え、HeadLine-Editorなどで手書きのRSS発信はできても、RSSの持ち味である自動配信はCMSなどそれなりの器を用意しないとできず、ましてOPACから新着図書をRSS配信、なんて既存ベンダは対応してくれるのか。そのためだけに開発費は積めない、という図書館も多いはず。「縁遠いなあ」と思われてしまったら残念です。まさに絵に描いた餅状態。とりあえずMovableTypeでもWordPressでもPukiwikiでもいいから、まずは「RSS配信」が何をもたらすかを体感して欲しい、と思いました。そこから、何か新しいサービスに繋がるアイディアが浮かぶかもしれません。我々は、そのための事例作りに励むことにします。

 Next stageは一橋 and 札幌city。I'm coming back!
  closeなliveではありますが、これも楽しみにしています。当然、資料作りが待っているわけですが。


Re: トラックバック可能なOPAC

 "Re:"がついても今日の「サラリーマンNEO」のアレみたいな展開はありません。あ、うちの課内の親睦会の旅行はあんな感じです。連れ合いに話すと、「未だにあるの?」的扱いですが、全員ノリノリなのはチームワークなのかストレスが多い職場なのか。

 さて、先日作ったトラックバック可能なOPACですが、見栄えをちょっと整えてみました。
現在の実装はこんな感じです。

  1. Plaggerで図書室56箇所の新着図書のRSSフィードを一本のフィードにまとめる
  2. このフィードを解析、Net::MovableTypeでMovableTypeに1itemを1エントリとしてポスト
    ついでにはてなブックマークへの登録用リンクも張ってみたり。

 Plaggerは噂どおり必要なモジュールが大量にあり、組み込むだけでちょっと苦労。YAMLの書式に慣れず戸惑ったり。しかし強力。あれだけでフィードをまとめたりなどの大量の機能が。さすが、巷で「それPla」と言われるだけあります。時間があればもうちょっとhackしてみたいです。

 で、先のトラックバック可能なOPAC。MovableType3.3からの新機能で、OpenSearch準拠の検索インターフェースと結果のフィードが実装されているので、「登録したキーワードを含むエントリ(というか図書)がポストされたら通知」などができて便利そうです。

 とはいえ、図書室56箇所で1営業日に1冊ずつ本を受け入れたとすると、

56(箇所)x1(冊)x20(日)x12(月)=13,440エントリ/年

 という計算となり、いくらバックにMySQLが動いているとはいえ、MovableTypeで捌くのはどうよ、という状態になります。このため、現在の形態での試行公開は様子を見つつ1~2ヶ月程度でクロースの予定です。

 もちろん、元のOPACサーバ側でトラックバックなどの機能をサポートしていればよい話なのですが、この試作システムで立証したいのは、XMLで元データを自由に提供することで

ユーザ側で簡易な検索機能付き新着情報配信システムが構築できる

 という点です。今回はMODSなどの詳細な書誌データなしのフィードを使っていますが、書誌事項でフィルタして自分の専門分野や興味のあるテーマに沿った情報収集とデータベースの構築も可能でしょう。
 別にATOM APIが話せるインターフェースをWebで用意して、データのDelete/Inport/Exportを容易にしたほうがよいのかも。

 …その前に、新着情報のRSS出力のためのAPI仕様を整理して公開しないと作れませんね。近日中に公式ページに書いておきます。
このあたりのネタで8月上旬の発表までは乗り切って行きたいと思います。>関係各位


トラックバック可能なOPAC

 「OPACでもamazon.comのようにレビューが書けたり、他の書籍サイトのようにトラックバックができればいいのに」という声がもれ聞こえます。OPAC+CGM(Consumer Generated Media:ユーザ参加型メディア)といったところでしょうか。利用者がトラックバックを通じてその書籍の情報交換ができるOPAC。ニーズはありますか?

 ぼーっとそんなことを考えていたら、手持ちの材料 -RSSフィードとMovableType- でできそうな気がしてきました。

  1. 新着情報のRSSを1本にアゲリゲート
  2. XML-RPCでMovableTypeに書誌情報を順次送信、1件1エントリとして自動投稿。
  3. コメントやトラックバック受付の可否は自動投稿時に別途設定。
    あとから図書館側でコメントの付与も可能。

 あら、簡単そう。でもXML-RPCが、と思っていたら、外部からの簡単なMovableType操作用のperlモジュールNet::MovableTypeがあることを「僕と云ふ事」のエントリ、「Net::MovableType でテスト投稿」で知りました。これなら簡単そうです。

 ということで先のエントリを参考にperlでスクリプトを書き、新着図書情報のRSSを元に、これらを細々と自動的に投稿するスクリプトができました。個別の書誌事項を一つのエントリとし、トラックバックが可能です。コメントと異なり、トラックバックならより高い匿名性も確保できそうです。匿名の良し悪しはともかくとして。

 出力結果はこんな感じです。とりあえず53件を登録。検索もできてちょっとよいかも。

 あとは出力するフォーマット、スタイルや書誌事項の表示方法の調整がまだなので、ぼちぼち直す予定です。また、カテゴリやタグをどのフィールドからどう切り出して表示するか、できれば固定リンクは書誌IDなどOPAC側のユニークIDを使ったファイル名として、OPAC側からのリンクを張りやすくするなど、もうちょっと工夫が必要そうです。せめて所蔵機関ぐらいは表示させておきたいですね。

 メリットとしては、新着図書を月別/週別/日別/カテゴリ別などで参照でき、トラックバック等が可能であること。既存のOPACの付加機能としてはいかがでしょうか?
 また、最小限でもRSSで書誌事項を送ってもらえれば他館の新着図書についてもアグリゲートできるので、共同目録的な使用もできるかもしれません。

でも公共図書館などで利用して、小説などのネタバレをトラックバックされると厳しいなあ。やっぱり監視付き?


 神の導きか、講演予定箇所がもう一つ増えました。大阪です。10月と先の話ですが、関係者の皆様よろしくお願いします。


専図協全国研究集会初日+雑記

 たまには気楽に雑記。

 今日明日は専図協全国研究集会参加のため日本科学未来館へ出張。
 つくばエクスプレスを秋葉原駅でうっかり寝過ごし、折り返して発車する寸前に飛び降りたのはともかく、新橋からはゆりかもめ。無人で全自動で運行。それを見た修学旅行生と思しき中学生が一言、

「こんなに科学的になっているんやなあ」

 「科学的」。サイエンスの前線で仕事をしていてもついぞ聞くことのない言葉。彼の中では「科学的=カコイイ、スゴイ」と同義なのだろう。人はいつまで「科学の力」を信じていられるのだろう。世に伝え残す側として、胸に刻んでおこう。

 16:15から基調講演。「図書館を使い倒す!~取材の現場からの期待と注文」 千野信浩氏(ダイヤモンド社 週刊ダイヤモンド編集部)を拝聴。詳しくは著書「図書館を使い倒す!」を参照されたい。

 取材という実戦の中で、必要な情報は何か、手に入れるためにはどこに行けばよいのか、そしてそれらが可能なサービスを行うためには何が図書館に必要なのか。図書館を実際に訪れ使いこなしている者からの言説には説得力がある。現場で百戦錬磨の記者と自分と相対したら、明確な、そしてそんなハイレベルのユーザを満足させれるサービスができるのか。自問自答。いずれにしても、もっと既存の理念や理想にとらわれない外部ユーザの視点から、図書館の意義についての発言があってもよいと思う。

 懇親会も出席。顔見知りの方と挨拶したりされたり。また紹介されたり。以前はお互い「名前は聞いたことがある人」で終わっていたが、最近になってこうした繋がりから新たな協力関係やサービス展開に繋げてゆく事ができるようになったように感じる。自分の立ち位置が変わってきたとでも言うのだろうか。ささやかながら、書き物その他が誰かの何かの役に立っていればと思う。

 帰宅。「ラ王2.0」の存在をとあるblogで知る。日清のプレスリリースによれば別に麺が2倍(当社比)なだけで2.0とは商品名には入っていないのだが、ここまできたのかと感じる。OPAC2.0なんてワードは今年を、いやこの夏を乗り切れるのだろうか。不安と共に就寝。


WebOPAC XML Interface Preview Release 1

 MS IGLOOとかサラリーマンNEOとかに気をとられているうちに、気がつくと前回のエントリから一ヶ月も経過。遅筆をご容赦ください。「サラリーマンNEO」で検索してこのサイトにこられた方、ここは図書館システムのネタが多く更新も遅いブログですが、こんな世界もあるのだと思ってソーシャルブックマークやRSSリーダに登録などしていただければ幸いです。

 で、セミナーなどで会う人ごとに「新ネタまだですか」とプレッシャーをかけられご要望を頂き、雑用に追われているうちに梅雨に入ってネタが腐りそうなので一部ですが出すことにしました。なので Preview Release1。別サーバ上に実装予定なので下記のリンクは変更を予定しています。

 とりあえず、以下のリンクをお試しください。認証が必要ですが、必要な情報は認証ダイアログに表示されるほか別エントリに書いておきましたのでそちらをどうぞ。

 いずれも、RSS1.0+MODSで書誌情報を出力。スクリーン用スタイルシートは準備中。なので生XMLでの出力ですがご容赦を。情報は十分あるので、ユーザの方でお好きに粋に表示画面を設計できる仕様です、というと何かフレンドリー。リッチなユーザ体験をあなたに。

 基本書式はシンプルに。

BASEURL/(ISSN|ISBN|書誌ID)

 mod_rewriteでISSN/ISBN/書誌IDを識別し、適切なqueryに変換しOPACサーバに送出しています。別サーバからURLをリダイレクトしているため、変換後のURLが見えてしまい今一なのでこれは次のリリースで改良予定。 

 デフォルトでは無駄にゴージャスに RSS1.0+MODS での出力ですが、RSS2.0やOpenSearch準拠での出力にもパラメータを指定して対応可能。
 また、ISSN等と同様にキーワードをURLに仕込んで検索可能な仕様にもなっていますが、「日本」とか「農業」のようなヒット件数の多い単語で検索すると切れそうなぐらい返事が遅いので、このあたりの詳細仕様をチューニング中。詳細は次リリースで。

 7月以降、東日本を中心に4箇所でライブツアーを敢行(講演とも言う)するので、ちょっとずつでも機能を増やしてネタとして使います。ご期待ください。というか感想やご意見などありましたらコメントなどお寄せください。